2012年08月31日

最低で最高のサリー

The Art of Getting By
Homework


人は必ず死ぬ。 人は孤独に死ぬ。
それなら何をしても全て無駄じゃないか?
ジョージ(フレディ・ハイモア)は、全てにやる気をなくしてしまった。
生きてても無駄。 無意味。
宿題も無意味だと思ってやらなかった。
校長のビル(ブレア・アンダーウッド)に、このままじゃ大学どころか、卒業も危ないぞ?
と言われてしまう状態。
元々は良い生徒だったのに、今じゃ成績不振で、何とか仮及第を出してもらったような有様。
絵の才能はあるけれど、美術のハリス(ジャーレス・コンロイ)に提出するテーマが見つからない。
人付き合いも苦手なジョージだったが、些細なきっかけで友人ができた。
明るくて奔放なサリー(エマ・ロバーツ)は、16歳で彼女を生んだ母が去年離婚したから、自由を満喫中。
サリーを通じて知り合ったウィル(マーカス・カール・フランクリン)がジョージのイラストを気に入って、クリスマス・パーティーの招待状用に何か描いてくれと言うと、ジョージは気楽に引き受けた。
そんなある日、サリーと一緒に学校をサボって待ちに出たジョージは、義父ジャック(サム・ロバーズ)が会社と違う方向へ、いつもと違った様子で歩いているのを見つけた。
もちろんサボってただで済むはずが無い。
ジョージは停学にされる代わりに、学校での就職説明会の世話係をやる事になってしまった。
だが、それは新たな出会いのきっかけとなった。
説明に来た1人、元生徒のダスティン(マイケル・アンガラーノ)は画家だった。
生徒の反応はいまいちだったが、ジョージは彼に来た中で一番正直な人だと言った。
早速サリーと共に彼のスタジオを訪ねる。
サリーがダスティンを褒めるから、ジョージは彼をけなした。
ダスティンと知り合えた事は、ジョージにとって良くも悪くもあったのだ。
そして学期末。
3週間で今までやらずに来た1年分の宿題を提出するか、退学になるか。
選択を迫られたジョージは・・・

青くて痛くて希望の光が遠くに見える青春物語。
青春コメディにもできるし、もっと重たく問題提起するような見せ方にもできるし、恋の部分に焦点を当てることもできる。
この年頃の普遍のテーマとも言えるような内容だから、同じテーマの作品は色々あるし見せ方も色々あるわけだが、この作品は割りと淡々としていたかな?
ジョージは勉強についていけない本当の落ちこぼれでは無く、ちょっと聡明だから色々考え悟り先が見えてしまったために、生きる事の魅力も目的も見失ってしまった高校生。
すっかりガッツリ眉になり大人びてきたハイモアが、気力を失った優等生役にピッタリだったよ。

大人の嘘・綺麗事に敏感で、ちょっとした事でその相手に失望してしまう。
逆に言えば、大人の理想像を求め、憧れ、期待しているからこそ、何だこの程度の人だったのかとガッカリするんだと思う。
義父に対してもそうだし、ダスティンに対してもそうだ。
ジョージには見せていない部分でどれだけ努力しているかとか、愛情を注いでくれているかとか、そういう部分には思い至らない年頃。
善か悪か、偽善者か、と自分が見知った一面だけで判断を下してしまう。
しかし、同じ年頃の相手に対しては、また違った目で見、違った判断基準があるんだよね。
自分とは違う部分を持ち、違う自己表現ができるサリーへの感情。
分かり合いたいし、恋心も持っているのに、ストレートに出せないジョージ。
サリーに比べると、とても晩生の彼。
見ていて歯痒かったよ。

お目当ては、アンガラーノ。
童顔だしそれほど背も高くないから、いつまでも子供っぽい雰囲気を持っていると思っていたが、さすがにハイモアよりも5歳も年上だから、この映画ではかなり大人の男に見えた!
髭を生やしていたせいもあるかな?
5年前なら、ジョージの役はアンガラーノがやっても似合っただろう。
でも、ダスティンというキャラのほうが、ジョージよりもずっとずっと好きだけどね(笑)
大人だけど狡賢くはなく、高校生が相手でも真っ直ぐに真摯に向き合ってくれるし、正直でいてくれる。
それなりに苦労も努力もしてきたのが分かるが、それを売りにはしていない。
性格がカッコイイ!

ところで、サリーのもう1人の友人ゾーイは、サーシャ・スピルバーグ。
笑っちゃうぐらい、スピルバーグによく似てた(爆)



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2012年08月30日

カプリコン・1

Capricorn One

その朝、NASAの有人火星探査宇宙船カプリコン・1が、35分遅れで無事に打ち上げられた。
しかし、プロジェクトの責任者であるケロウェイ博士(ハル・ホルブルック)は、打ち上げ約5分前に3人の宇宙飛行士、船長のブルーベイカー(ジェームズ・ブローリン)、ウィリス(サム・ウォーターストン)、ウォーカー(O・J・シンプソン)を秘密裏に砂漠の中の古い格納庫に移動させていた。
生命維持装置の故障が発見されたが、巨額を投じた国家の威信がかかる一大プロジェクトを中止するわけには行かず、無人で飛ばすことにしたのだ。
だが、火星に人類初の足跡を残さなければならない。
そこで、この格納庫に作ったセットで、3人に偽装工作への協力をさせようと言うのだ。
人々を騙すことを受け入れられない3人だったが、何も知らない家族の安全を引き合いに出されて、協力するしかなくなってしまう。
コントロール・ルームとの交信、家族との映話、そして着陸の中継
ケロウェイ博士の思惑は上手くいっていたように思われたが、交信の電波が計算値よりも速く来ていることにスタッフのウィッター(ロバート・ウォーデン)が気付いた事から、記者のコールフィールド(エリオット・グールド)にまで疑念を持たれることになってしまった。
そして、最悪の事態が。
大気圏突入の際に・・・
このままではNASAに消される。 そう命の危険を察知した3人の宇宙飛行士は、格納庫から逃亡を図った。

SFではあるが、サスペンス・ドラマに重きが置かれているので、今見てもあまり古臭く感じない。
サントラの曲調も良いし、ケロウェイ博士やパーカー下院議員(デイヴィッド・ハドルストン)に、巨大な計画は綺麗事だけでは現実にはならないという、汚い一面を見ることが出来るのも面白い。
こんな映画を見てしまうと、例の月面着陸の真偽についても・・・(苦笑)

巨額を投じた国家的プロジェクトなのに、国民の関心が低い。
その上、ソ連に遅れをとるわけにも行かない。
だから、計画の中止どころか延期すらするわけには行かないケロウェイ博士の立場
そして、彼個人としての意地や欲
生命維持装置の故障の理由があれだったら、他の部分も同じ理由で設計図よりも粗悪な物が納入されている可能性がある。
と言う事は、いつどこで宇宙船と宇宙飛行士が危機的状況に曝されてもおかしくは無かったと言う事だ。
乗らずにすんだのは、ある面では運が良かったのかもしれない。

大きな力を持つ組織の隠蔽工作・偽装工作に巻き込まれることの恐ろしさ。
国民に知らされる事実や真実に嘘が紛れ込んでいても、国民は気付かずに鵜呑みにしてしまうだろう。
巻き込まれた当事者ともなれば、命の危険にも曝される。
科学の進歩には多少の犠牲は付き物というが、犠牲者にはなりたくないものだ。

で、あの2人の宇宙飛行士は結局どうなったんだろう・・・

あ、そうそう、テリー・サバラスが農薬散布会社の社長役として出てきて、複葉機を貸してくれた。
NASAの2機のヘリと追いかけっこをするセスナ機。
複葉機、侮れん(笑)
2機のヘリは、まるで人間が顔を見合わせて相談するように、何度か向き合う動きをする。
擬人化されているようで、ちょっと可笑しかったよ。



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2012年08月29日

ピアース・ブロスナン サルベーション

Salvation Boulevard

三千年教会の牧師ダン・デイ(ピアース・ブロスナン)とポール・ブレイロック教授(エド・ハリス)との討論会が、ポールの大学で開かれた。
敬虔なクリスチャンでダンの熱烈なファンであるグウェン(ジェニファー・コネリー)と彼女の厳格な父ジム(キーラン・ハインズ)、そしてグウェンの夫カール(グレッグ・キニア)も会場で見守っていた。
舌戦の後、ポールは自分の研究室で飲もうとダンを誘い、ダンはカールも誘った。
そこで、思いがけないアクシデントが。
なんと、ダンが手にした銃が暴発し、ポールの頭に!!
更に思いがけない出来事が。
なんと、なんと、ダンがカールの目の前で偽装工作を行ったではないか。
これも神のお導きだとカールに言い含めて、ダンは帰っていった。
しかしどうしても良心が咎めたカールは、匿名で「銃声を聞いた」と通報してしまう。
実はダンも、ポールが言っていた「アンノウンはやがて悪魔になる」という言葉が頭に残っていたため、大きな不安を抱えることとなった。
次の日ダンは、「ポールは一命を取り留め弾は摘出されたが昏睡状態である」と信者たちに伝える傍ら、カールに罪をかぶせようとしていた。
教会のカメラマンのジェリー(ジム・ガフィガン)には殺されかかり、ダンに心酔し切っているグウェンやジムはカールの話を全く信じてくれない。
ただ、大学の警備員をしている、音楽の趣味が合うハニー・フォスター(マリサ・トメイ)だけは、彼の話を聞いてくれた。
カールは身の潔白を証明し、ダンの仮面を剥がすことが出来るのであろうか?

直訳すると「救済大通り」。
いったい誰が誰を救済してるのか、ブラックユーモアに満ちた、なんとも嫌な気分になる作品。
ある人にとってはコメディだと感じるだろうが、別のある人にとってはサスペンスドラマだと感じるかもしれない。
哀生龍にとっては、ある種のサイコ・ホラーを見たような気分にさせられる作品だった。

盲信者、狂信者は、とにかく恐ろしい。
神が間違いを犯すはずが無いし、聖職者が人を欺いたり窮地に押しやったりするはずが無い。
神を信じていいのか、聖職者を信じていいのか、そんな風に考える事がまず間違ってると言うだろう。
信仰心が足りない、可哀想で不幸な人だと思われるだろう。
何が起きても何をやらかしても、神の思し召し
どんな事にも神の奇跡や神の御しるしを見出す。
信仰心の薄い哀生龍は、笑っちゃう程度の事ならばいいのだが、グウェンのようなところまで行っちゃうと怖くて仕方が無い。
ジェニファー・コネリーが、これまたグウェンにはまり過ぎなほどはまっているから、怖くて不気味で不快で胃が痛くなりそうだった。

彼女に比べると、ダンは俗物で自己陶酔型で薄っぺら。
何か失敗しても、元々は私利私欲から始めたことであっても、「神の思し召し」「神がそうすることを私に望んでいる」「神の啓示を受けた」と5回ぐらい口に出して自信満々に言えば、全ては善なる神の意思に従ったまでと信じ込めるタイプだろう、社会通念に関係なく正しい行いだと自信を持って言えてしまう人だろう。
牧師として人の前に立つ時の彼は、自分自身に疑念も後ろめたさも無いから、信者は安心しきって彼の言葉を鵜呑みにするんだろうね。

無神論者のポールはライバルではあったが、持ちつ持たれつの関係。
ポールは割りと冷静な人で、ダンと白熱した討論を繰り広げるのも、一種のパフォーマンスと考えている。
彼が善人かどうかは別として、“普通”の人だから安心感があった。
極端な無神論者は、“無神教”の盲信者、狂信者となって、これまた恐ろしい存在になるからね。

哀生龍はグレッグ・キニアを目当てに見たから、こんな感想になってしまったのだが、キリスト教の信者を始めとする神を信仰する人や、敬虔なクリスチャンを身近に持つ人々には、この作品を見てどんな感想を持つんだろうなぁ・・・

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2012年08月28日

ポルノ☆スターへの道

Bucky Larson: Born to Be a Star

心優しく真っ直ぐな性格だが、少々間が抜けていて容姿もいまいちのバッキー(ニック・スウォードソン)は、超晩生で童貞というだけでなく自慰の経験すらない
スーパーマーケットを馘になったバッキーのために友人たちが見せてくれたポルノビデオは、驚いたことにバッキーの両親(エドワード・ハーマン、ミリアム・フリン)が主役だった。
バッキーは自分の両親がジム&ロージーという名で86作のポルノに出ていたことを知り、「両親がムービースターだったんだから、自分はスーパースターになれる!!!」と大いなる夢を抱いてアイオワから一路カリフォルニアへ。
早速飛び込んだポルノショップの店員(アレン・コヴァート)から教えられてバレーに行き、颯爽とオーディションを受けたバッキー。
何も知らないバッキーは大失態を曝したが、監督のクラウディオ(マリオ・ジョイナー)の好意でポルノスターのディック・シャドー(スティーヴン・ドーフ)のパーティに入れてもらえた。
しかし性格の悪いディック・シャドーのせいで、バッキーは前歯や髪型だけでなく、ナニもみんなの笑いものになってしまった。
そんなバッキーを拾ってくれたのは、落ちぶれたポルノ監督のマイルズ・ディープ(ドン・ジョンソン)。
驚くようなナニのサイズと女優の胸を見たときの予想外の反応に、マイルズは正直呆気に取られたが、それでもカメラテストはしてやった。
カメラテストを終えたバッキーが大興奮で報告した相手は、住む場所を紹介してくれたキャシー(クリスティーナ・リッチ)。
彼女は、バッキーがカリフォルニアに来て最初に入ったダイナーのウェイトレス。
彼のポルノスターになると言う夢を真剣に聞いてくれて、彼の容姿も純朴過ぎるところも笑わないでくれた女性。
彼女にも、ある夢があった。
さすがにバッキーを出演させるのは無理だと思ったマイルズだったが、アシスタントで甥のジミー(テイラー・スピンデル)が勝手にカメラテストの動画をポルノ動画サイトに投稿したことがきっかけで、新しいジャンルの作品になると思うようになった。
反響が大きくなるにつれ、プロデューサーのジェイ・デイ(イードゥー・モセリ)も乗り気になってきた。

アダム・サンドラーとアレン・コヴァートとニック・スウォードソンが製作・脚本に名を連ねている、超B級コメディ。
彼ら琉のアメリカン・ドリーム?(苦笑)
「ブギーナイツ」を彼らがリメイクするとしたら、こんな作品。 って感じ?
バート・レイノルズがドン・ジョンソンになるのは、物凄く納得だけど(爆)
スティーヴン・ドーフやクリスティーナ・リッチは、この作品に出演して大丈夫だったんだろうか??

デフォルメされたキャラ、とても下品なあれこれ、ゆる~い仕上がり・・・
アダム・サンドラー作品やニック・スウォードソンに耐性のある人じゃないと、正直コメディ好きでもきついかもしれない(苦笑)
wikiによると、ラジー賞に6部門ノミネートされたが、「ジャックとジル」が全部門受賞したから、この作品は受賞を免れたんだそうだ。
どっちにしろ、アダム・サンドラー作品じゃないか ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

両親自身も息子も、両親がポルノスターだったことを恥じていない。
自分の容姿もナニのサイズも恥じていないし、両親もそのままの息子を愛している(親として当然の心配はしているが)。
人の役に立つことが出来るし、人に勇気と希望を与えることだって出来る。
誰かを愛し、誰かに愛されることだって出来る。
大切なのは、見た目よりもハートだ!!!
と、とても素晴らしい作品のように紹介することも出来るが、他人にはお勧めしにくい作品であることは間違いない(苦笑)



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2012年08月27日

放課後ミッドナイターズ

After School Midnighters

公開中なので控えめに。

由緒正しき聖クレア小学校の学校公開日。
幼稚園に通う仲良し3人組、マコ(声:戸松遥)とミーコ(声:雨蘭咲木子)とムツコ(声:寿美菜子)も見学にやってきた。
3人は立ち入り禁止の理科室に入り込み、勝手に弄り回した挙句、人体模型に好き放題悪戯書きをして帰っていった。
その晩、人体模型のキュンストレーキ(声:山寺宏一)はやっと自由に動ける時間になると、怒りを爆発させる。
相棒の骨格標本ゴス(声:田口浩正)が出来る限り汚れを落とし、何とか宥めようとするが聞く耳を持たない。
特に今晩は、子供になんか構っている時間は無いのに。
明日の朝から理科室は取り壊し工事が始まり、その時に古い人体模型と骨格標本の2人は廃棄処分されることが決まっているからだ。
だが、キュンストレーキは天才的な発明でホルマリン・ラビッツ、マイケル(声:屋良有作)とフレッド(声:大塚芳忠)とソニー(声:黒田勇樹)に命を与え、お仕置きすべく悪戯園児マ・ミ・ムを連れてくるようにと命じる。
放課後ミッドナイトパーティーの招待状をもらい、何にも知らずにやって来たマ・ミ・ムは、動き喋り歌い踊る人体模型と骨格標本に恐れ戦くどころか、うきうきワクワク。
この天然の強さに、ゴスは良いことを思いつく。
聖クレア小学校に伝わる3つのメダイを、この3人なら集められるに違いない。
願いが叶うそのメダイを使えば、自分たちは廃棄処分にならずに済む!
もちろん、メダイを集めるのは簡単なことではない。
ミッドナイターズの試練を乗り越えなければならないのだ。
第1ステージは、プールの水棲魔人ピニア(声:小杉十郎太)。
第2ステージは、PCルームのデジタル魔人姉妹ダンケルハイト & リミュエール(声:谷育子)。
第3ステージは、音楽室のコンポーザーズ、モーツアルト(声:家中宏)とバッハ(声:茶風林)とベートーベン(声:松本大)とシューベルト(声:郷田ほづみ)。
そして、キュンストレーキですら恐れるシャブリ(声:飯塚昭三)や謎のモンスターまで現れ・・・
真夜中、放課後の小学校で、いったい何が起こるのか?

普段は邦画を見ないので、最初に劇場でチラシやポスターを見た時にはあまり興味が湧かなかった。
だが何度も目にしている内にだんだん気になるようになり、本屋でノベライズを見かけて「あとで読もうかな・・・」と買った。 まだ読んでいない。
元々が7分も無いショートムービー「放課後ミッドナイト」だと知って動画をチェックしたら、面白いのなんの!!!
無声映画のようにたまにセリフが文字として現れるだけの、目で見て分かりやすいコントのような内容。
映画の公開にあわせて宣伝用に作られた(?)1分30秒のショートコント集では、キュン様とゴスの絶妙な掛け合いが!!!
声が入っていなくても十分に面白いのに、山ちゃんとネイティヴな博多弁を駆使する田口さんのセリフ回したまた素晴らしく ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
いやぁ~ 大きなスクリーンで見て正解だった!
でも、大声で笑ったり突っ込んだりしながら部屋で友人たちと見るのも絶対に楽しいに決まってるから、DVDになるのが楽しみだ!!

福岡の劇団員の方がモーションキャプチャを付けて演技をしているそうだが、こてこてのギャグをセリフ無しでこんなに見事に演じてくれているのだから、是非その様子も見てみたい。
もちろんアニメキャラの表情も最高!!
不気味なはずの人体模型が、大人げの無い我侭ですぐに拗ねるキャラなのが可愛らしいし、どこかで見たような顔に思えちゃうんだよね。
・・・・コメディ俳優の誰かかな?
古いせいでひびが入っている骨格標本のゴスは、ひびが細い口髭のようになっていて胡散臭さ満点(笑)
気弱そうなんだけど、案外頑固?

天然ゆえに凶悪な5歳の園児トリオ。
3人の個性の違いがとても分かりやすく、ストーリーの中でも良く生かされている。
ホルマリン・ラビッツは、マフィアかぶれ
キュン様やゴスには強気に出るが、園児たちにはどうにも勝てない(笑)
子供嫌いの哀生龍だが、3人の中では不思議ちゃんキャラのムツコが一番のお気に入り!!

多くの小ネタや伏線を仕込んで置きながら、あまり活かされずに捨て置かれるような作品が多い中、この「放課後ミッドナイターズ」は違った!
回収率ほぼ100%じゃないか?
全然無駄が無い上に、無理矢理感が全く無い。
脚本が凄く巧い!!!
子供から大人まで笑える、適度に下品なネタも含んだ数々の笑いのポイントも、全然しつこくない!
久し振りに大当たりのコメディだったよ!!!

初日初回の舞台挨拶つきを、家族連れ(小学生多し)に紛れて見た。
さすがお子様。
舞台挨拶の最中でも遠慮無くトイレに行き来(笑)
哀生龍は通路側に座っていたので、すぐ真横を通った監督&山ちゃん&田口さんを凝視してしまった。
ショートムービーへの生アテレコも見られて、休日にも関わらず早起きして良かったなと思ったよ(笑)

どうでも良いことだが、哀生龍が映画館で見た邦画って、95%以上アニメだと思う。

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2012年08月26日

まだ感想を書いていない作品

見たけどまだ感想を書いていない映画を、とりあえず分かる範囲で列挙(順不同)してみた。

ウソから始まる恋と仕事の成功術
ジョナ・ヘックス
センチュリオン
木曜日の未亡人
奇人たちの晩餐会 USA
みんな元気
アフターライフ
トラブル・イン・ハリウッド
ショート・サーキット2
ショート・サーキット
劇場版 怪談レストラン
ネコのミヌース
フィースト アンレイテッド・バージョン
蝿の王
ウォー・オブ・ザ・ゴッド 勇者たちの神話
赤い影
タイム・ワープ
オックスフォード連続殺人事件
HOLD UP!
アウトランダー
ソリタリー・マン
抱きたいカンケイ
プライドと偏見
マージン・コール
ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~
ワイルドスティンガー
恋愛ルーキーズ
エリックを探して
41歳の童貞男
恋愛上手になるために
ガンクレイジー
ラスト3デイズ(オリジナル)
ホーボー・ウィズ・ショットガン
神☆ヴォイス
カプリコン・1
トータル・リコール(オリジナル)
最低で最高のサリー
ペネロピ
カージャック
アーサーとミニモイの不思議な国

このまま感想を書かずに終わらせてしまいそうな気がする(苦笑)


ただし次の3作品は、必ず書く!

素敵な人生の終り方
ピアーズ・ブロスナン サルベーション
ポルノ☆スターへの道

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posted by 哀生龍 at 16:53| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | 更新情報をチェックする

2012年08月24日

空飛ぶペンギン

Mr. Popper's Penguins

説得”上手なトム・ポッパー(ジム・キャリー)は、アシスタントのピッピ(オフィリア・ラヴィボンド)と共に大きな不動産買収をいくつも成功させてきたエリートサラリーマン。
重役の仲間入り直前の彼に、その前にあと一件の買収をしてもらいたいと4人の重役から命じられた。
それはセントラル・パークで唯一の個人所有、老舗のレストラン“タバーン・オン・ザ・グリーン”。
ここさえ自由に出来れば、再開発が出来ると言うわけだ。
しかしオーナーのセルマ・ヴァン・ガンディ(アンジェラ・ランズベリー)は、かなりの難敵らしい。
そんな時に、ポッパーの父が亡くなり、遺言に書かれていた“南極土産”が彼の元に届く。
なんと、クール便で届いたのは生きたペンギンだった。
それも、1羽かと思ったら、6羽も。
成り行きでマンションの自宅で育てる事になってしまったそのペンギンを、別れた妻子アマンダ(カーラ・グギーノ)、ジェイニー(マデリン・キャロル)、ビリー(マックスウェル・ペリー・コットン)に見られてしまった。
困った事に“プロ”のジョーンズ(クラーク・グレッグ)にまで知られ、素人が設備も整っていない自宅で育てる事に反対される。
更に更に、マンションの住人ケント(デイヴィッド・クラムホルツ)にまで・・・・
ガンディ夫人を説得して大出世はしたいし、父が残してくれたペンギンは自分で育てたいし、別れた妻子とも上手くやっていきたいし。
ポッパーはこの難局をどう乗り切るのであろうか。

原作は「ポッパーさんとペンギン・ファミリー」という児童書なんだそうだ。
笑いありドラマありの、いかにもな王道を行くハッピーエンドの物語なのもうなずける。

ペンギンたちがよちよちばたばたギャーギャー。
マンションの一室で飼っていたらすぐにばれそうなほど、かなりパワフルな鳴き声なんだよ(苦笑)
雪や氷冷たく居心地のいい場所を作ってやらなきゃならないし、生魚は欠かせないし、卵からも目が離せないし・・・
可愛い存在だが、飼うのは一苦労だね。
その飼い主が、これまたばたばたギャーギャーなジム・キャリーだから、ちょっと絵面が騒々しい(苦笑)
年齢的にも役柄的にも、やややつれた表情を見せるから、もっとテンション落として良いんだけど? と言ってあげたくなったりもした。

三代続いた老舗レストラン。
ガンディ夫人ぐらいいつもの調子で気分良くさせて説得できそうなものを、何故かその店がターゲットだと知った時から様子がおかしいポッパー。
買収したあとレストランは潰されてしまう。
ポッパー個人にとってとても大切なその店を買収するのは、あまりに気が重い。
家族を顧みないほどの仕事人間のポッパーだが、彼の父もまた留守勝ちで世界中を飛び回っていた人。
そんな父が、何故南極から生きたペンギンなんかを送ったのか?
児童書らしいストレートな、そして出来過ぎな展開は、それはそれで気楽に楽しめた。



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2012年08月23日

アルビン3 シマリスたちの大冒険

Alvin and the Chipmunks: Chipwrecked

アルビン(声:ジャスティン・ロング)、サイモン(声:マシュー・グレイ・ギュブラー)、セオドア(声:ジェシー・マッカートニー)のシマリス3兄弟「ザ・チップマンクス(ザ・しまっピーズ)」とブリトニー(声:クリスティナ・アップルゲイト)、ジャネット、(声:アンナ・ファリス)、エレノア(声:エイミー・ポーラー)の3姉妹ユニット「ザ・チペッツ(ザ・しまペッツ)」の6匹は、親代わりのデイヴ(ジェイソン・リー)と共に豪華客船で休暇を楽しむはずだった。
ところが、自称“歩くルール”のアルビンが好き勝手し放題
いつものごとくデイヴがお説教し制約をつけようとすると、サイモンがある提案をしてきた。
少し大人扱いしてやったらどうだろう。 信頼されてると思えば少しはアルビンも・・・
ところが、都合良く解釈したアルビンの身勝手な行動のせいで、6匹は凧で船から舞い上がり、どこかの島に取り残されてしまった。
楽天的なアルビンの言動。
1つのマンゴーを巡っての激しい争奪戦。
そして、この島に“ボールたち”と8~9年もいるという、ちょっとヤバい感じの女性ゾーイ(ジェニー・スレイト)との遭遇。
その上、一番知性的で理性的なサイモンが、クモの毒にやられて性格が変わり、ワイルドな“おフランス男”シモーン(声:アラン・テュディック)になってしまったから大変だ。
いつも自由気ままだったアルビンは、仕方なく真面目キャラになって小屋作りに励む。
口ではすぐにデイヴが来てくれると言っていたアルビンだったが、本当はなかなかデイヴが来てくれないのは、彼が自分たちを探してないからだと諦めていた。
何年も困らせてきたから、嫌われちゃったんだ・・・と。
その頃デイヴは成り行きで、シマリスたちを金蔓としか見ていなかったため彼らに嫌われ、業界からも干されてしまったイアン(デイヴィッド・クロス)と一緒に行動していた。

アルビンの第3弾。
多くの国では劇場公開されているようだが、日本は2作目に続いてDVDスルー。
ま、DVDになっただけでもラッキーなのかな?

今回も歌ありダンスあり。
でも、シマリスたち(特にアルビン)の精神的な成長や、イアンの変化を中心とした、ドラマ部分がメインだったよ。
デイヴに似てきたアルビン(笑)
いつもアルビンの尻拭いやアルビンとデイヴの調整役をやる破目になるサイモンは、いい加減嫌になっていた。
そんなサイモンの変貌!
そして、いつもと変わらぬ癒しの存在セオドア。
子供向けのホラーを総毛立ちながら1人で見ているところなんか、可愛いのなんの!
マンゴー争奪戦で、某有名キャラ風に「マイ・プレシャス」と誰かが言っていたのも可愛かったよ。 女の子組の誰かだったな。

デイヴの出番は少なめだったが、それはいつも通り?
もう少し絡んでくれても良かったんだけど・・・・
何しろ哀生龍のお目当ては、ジェイソン・リーだから。



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2012年08月22日

アイム・ヒア

I'm Here

人間とロボットが共存する世界。
図書館で働く旧型パソコンのようなボディを持つシェルドン(アンドリュー・ガーフィールド)は、殺風景なアパートの一室で1人暮らし
家に帰ってする事と言えば、1人静かに充電をするだけ。
ある日シェルドンは、車を運転する明るく活発なマネキンのようなボディのフランチェスカ(シエンナ・ギロリー)と知り合った。
物静かなシェルドンは、良く笑うフランチェスカと一緒にいると、何故かとても幸せだった。
1つのベッドで一緒に充電もした。
彼女に誘われて、初めてライブにも行った。
精一杯格好をつけて、彼女が描いた“I'm Here”のイラストを何枚も使ってモヒカン風にして。
でも、気付くと会場の中ではぐれてしまっていた。
見つけ出した時には、彼女の左の肘から先が、もぎ取られてしまっていた。
その腕は、踏み潰されてしまっていてもう使い物にならなかった。
しょんぼりするフランチェスカの左腕を外したシェルドンは、代わりに自分の左腕を付けてあげた。
シェルドンの腕はフランチェスカのそれとは違って、四角くてごつかったけど。
別のある日には、右足の膝から下を失ってしまったフランチェスカのために、シェルドンは自分の・・・
やめてと止める彼女に、彼は夢を見たと話し始める。

<INVATION from SPIKE JPNE>と題したプログラムで、「みんなのしらないセンダック」と二本立てで上映された30分程度のショートフィルムだそうだ。
ちなみに「みんなのしらないセンダック」は、「かいじゅたちのいるところ」で知られる絵本作家のモーリス・センダックにスパイク・ジョーンズがインタビューした様子を中心にまとめた、短編ドキュメンタリー。
哀生龍が好きなセンダックの絵本の映像も色々出てきたし、家族の事も知ることが出来たし、センダックがなかなか面白い人物である事も知ることが出来た。

で、「アイム・ヒア」は、ネット検索で知ったのだが、シェル・シルヴァスタインの「おおきな木」が基になっているのだそうだ。
シルヴァスタインは一見怖そうなオッサンなのだが、「おおきな木」は物凄く繊細で胸にぐっと来る物語だった。
この物語を知っている人ならば、「アイム・ヒア」がどんな物語なのかもすぐにピンと来るだろう。
ロボットは、壊れたら壊れっ放しなのだろうか?
金さえあれば、壊れたパーツを買って修理することが出来るのであろうか?
フランチェスカに自分のパーツをあげてしまうシェルドンは、そのパーツは失ったままだった。
『愛とは、与えるもの』 『無償の愛』 それを絵に描いた様なシェルドン。
幸せなはずなのに、見ていて切ない
活発で不注意なフランチェスカを責めるつもりは無いし、彼女だってはなからシェルドンを“自分の予備パーツ”となんか思っていないし、もらえる事が当たり前だとも思っていない。
彼女は悪くないはずなのに、なんだか愛情のバランスが悪い恋人に見えてしまう。
シェルドンはそれでも幸せ。
本当に? 本当にそれで良いのか?
フランチェスカからは、目に見える物質以外の何かを与えてもらっていたシェルドン。
誰かが傍にいてくれる。 誰かが自分を必要としてくれる。 こんな幸せなことは無い。
それでもやっぱり、胸が詰まる。 切なすぎて哀しくなってくる。
そして、“家族”を表すネズミたちのオブジェがまた・・・

同じ年に公開になった、アンドリュー・ガーフィールドが主演の1人だった「わたしを離さないで」の設定にも似た部分があるから、なんとなく彼が演じた両作品の役柄のイメージがダブってしまった。

ガラクタを寄せ集めたような不恰好なロボットたち。
ほとんど表情も変わらないはずなのに、非常に感情豊かなロボットたち。
夢を見るはずが無いロボットが見る夢。
上手に夢を見るフランチェスカ。
不器用ながらフランチェスカに自分が見た夢の話をするシェルドン。
二人の性格の違いが、哀しい幸せの形を生んだんだよね。

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2012年08月21日

La buena estrella

その朝、肉屋のラファエル(アントニオ・レシネス)は仕入れからの帰りに、路上で女(マリベル・ベルドゥ)が男(ジョルディ・モリャ)に暴力を振るわれているのを目撃し、肉切り包丁を片手に止めに入った。
そして、彼女を家に連れ帰った
女の名はマリーナ、男の方は恋人のダニエルだった。
子供の頃の事故で片目がガラスの義眼だったマリーナ。 ラファエルもまた、事故で睾丸を失っていて、子供を持つことが叶わない男だった。
彼女のために風呂とベッドを用意し、わざと目に留まるように紙幣をはみ出させた財布をテーブルに残して、ラファエルは仕事に出た。
戻ったとき、片付けられたテーブルの上には財布が無く、彼女の姿も無かった。
少しがっかりしたラファエルの家に、買い物をしてマリーナは帰ってきた。
惹かれ合い一緒に暮らすようになった2人。
月日は経ち、ダニエルの子供を妊娠していたマリーナは、彼が刑務所に入っている間に女の子を出産した。
エストレーヤと名づけられたその女の子を、ラファエルは自分の子供としてマリーナと一緒に育てることにした。
だが、出所したダニエルが暴行を受け彼らの家に転がり込むと、幸せな日々は一転。
行く場所も無く、子供の父親でもあるダニエルを、マリーナはしばらく家に置いて欲しいと頼み、ラファエルはそれを受け入れるしかなかったのだ。
ダニエルに優しくするマリーナに複雑な思いのラファエルに、彼女はもうダニエルに対する愛は無いと言うし、ダニエルももうマリーナなんかという態度。
しかし信じきれず、あえて2人を残し、エストレーヤを連れて妹の所に行った。
そして・・・残念な結果が待っていた。
しばらくはマリーナの兄と言うことでラファエルの店で働いていたダニエルだったが、再び犯罪に関わり強盗犯の1人として刑務所送りになった。
その頃には、マリーナは2人目を身篭っていた。

スペイン語で、字幕無し。
英語字幕だけでなくスペイン語字幕も無くて、ネットで調べたあらすじを手がかり足がかりにして見た。
自分の家族を持つのは無理だと思っていた男が、チンピラのジャンキー(?)の手から救った女を家に置いた事から、血は繋がっていないながら2人の娘の父になる事が出来た。
しかしその幸せには、子供の本当の父親が持病のように・・・・
と言う話なのは間違いないだろう。
言葉が分からないため、微妙なニュアンスをセリフから聞き取ることは出来ず、ただただ映像から見て取れた事から推測するしかない。
とても悔しいし残念だ。
マリーナは、夫としてラファエルを愛していたが、それでもやはりダニエルへの愛情は最後まで変わらなかったんだと思う。
悪い男だと分かっていても、とても優しい普通の男でいてくれる時もあるし、子供たちの父親でもあったし。
ラファエルに拾われるまでの日々を2人で身を寄せ合ってきたんだと思うと、そう簡単にきっぱりと切り捨てることは無理なんだろうな。
ラファエルも、マリーナの気持ちには逆らえない事から、ダニエルを受け入れるしかなかった。
感情を殺しても大人の対応をしてしまう性格なんだろうし、マリーナを失うことに臆病になっていたんだとも思うしね。
そこまでは良くある話だと思うのだが、この作品の好きな所は、いつの間にかラファエルがダニエルのことを本当に弟か何かのように感じるようになっていくところだ。
ダニエルもまた、ラファエルを頼るんだよ。 面会に来てくれたラファエルに向けるダニエルの眼差しと言ったら・・・・
刑務所で重病になり死期の迫ったダニエルが、最後は家でと望み、ラファエルとマリーナと子供たちの家に戻ってくる。
刑務所にそういう恩赦のような措置があるとは知らないが、多分そういうことだと思う。
凄く良い感じだったのだが、家で末期の病人を見取る事はそう簡単じゃないという現実が。
最後の最後にもう1つ大きな出来事が起きてしまうんだよ(涙)
ダニエルとマリーナが入った墓は、ラファエルの家の墓かな?
そうであって欲しい。
でも2人の前に書かれている2人の名前が、どちらも苗字が違っていて良く分からない。

ジョルディ・モリャ目当てに見た。
1997年の作品で、悪ガキといった見た目。
映画の冒頭はかなり長めの髪だったが、出所してからは肩ぐらいかな?
ストレートで前髪も長めで、ワンレンボブっぽくも見える。
上唇の上にしっかりとした口髭を蓄え、他の部分も無精髭が薄っすら。
左耳にピアス。
酷く下種野郎な声音や笑い方をしていた。
あの、射抜くようなそれでいて甘えるような独特の眼差しは、警戒しつつも懐いてくる犬っころのようで、悪い奴なのに嫌いになれない。
刑務所でも“可愛がられた”んじゃないかと想像してしまった。

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2012年08月20日

WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々

Win Win

公開中なので、控えめに。

マイク(ポール・ジアマッティ)の弁護士事務所は、不況でろくな仕事が無く、壊れそうなボイラーを修理する事も出来ず、トイレの詰まりもパソコンの不調も自分で対処していた。
副業として高校のレスリングチームの監督もしているが、弱小過ぎて長い事一勝もしていない
そんなマイクのクライアントの1人に、認知症の老人レオ(バート・ヤング)がいた。
身寄りは娘のシンディ(メラニー・リンスキー)だけだが、ドラッグ中毒の彼女とは全然連絡がつかず、このままでは自宅で暮らしたいと言っているレオは、州が後見人となって老人ホームに入れられてしまうのだ。
そこでマイクが思いついたのは、自分自身が後見人になって、月々の後見料を手に入れること。
判事の説得に成功したマイクは、約束をたがえてレオを老人ホームに入れてしまった。
しつけに厳しい妻ジャッキー(エイミー・ライアン)と幼い二人の娘を抱えているマイクには、レオの面倒を見ることなどはなから無理だったのだ。
そうとは知らず、オハイオからシンディの高校3年生の息子カイル(アレックス・シェイファー)が、レオを頼って一人でやってきた。
きちんと母親と連絡が取れるまでは1人でオハイオには帰せないとジャッキーが言い張り、マイクは彼をしばらく家で預かる事になった。
レオに会いに行くしかやる事のないカイルは、無口で大人しい印象だったが、彼には隠れた才能があった。
マイクがレスリング部の練習にカイルを連れて行くと彼は参加したいと言い出し、一時的にこの高校に彼を転入させて部活に参加させることに。
高校1年のとき、彼はオハイオ州で目覚しい成績を残していたのだ。
カイルは、彼自身が試合で勝つだけでなく、レスリング部全体にも良い効果をもたらしてくれた。
娘たちとも打ち解け、口喧しいジャッキーとも上手くやれるようになった。
このまま順当に勝ち上がれば大学のスカウトの目に留まり、奨学金がもらえるだろうと思われるようになったある日、突然シンディがレオとカイルに会いにやってきた。

Win Winとは、互いに利益が得られる都合の良い円満な関係の事。
たとえば、マイクとカイルの関係。
たとえば、ラストでのマイクとシンディの関係。
適度な笑いと心温まるエピソードが盛り込まれた、なかなか良い作品だったよ。

ダメ男とダメ少年と副題には書かれているが、そんなにダメではない。
誰でも、色んな事が上手く行かない時もあれば、悪い事をして人生につまずく事もある。
たまたまそんな凹みにいる2人が、挽回するチャンスを手に入れる物語。
タバコを吸い、髪をハイパーブリーチにし、タトゥーを数箇所入れている、無口を通り越して無愛想にも見えるカイル。
本当はレスリングが好きなのに、2年間も遠ざかっていたのには理由があった。
案外純粋で真面目で良い子だったカイルと、優しくそして厳しく親代わりになって世話をしたマイクとジャッキーの心温まる物語。

その一方で、違法ぎりぎりの事を妻にも内緒でやってしまっていたマイク。
悪事はいつか暴かれるもので、そうなった時にやり直すチャンスがもらえるかどうかで、その後の人生は大きく変わるだろう。
シンディの登場が、マイクにとってはピンチであり、その後の人生を左右することが起きる。
根はとても良い男なのに、魔が差したような1つの行動が・・・・
でもそのお陰で、カイルとの日々が得られたわけで、人生何が起きるか分からないよね

元妻と新しい男のことが気になっておかしくなりそうだったマイクの友人テリー(ボビー・カナヴェイル)にとっては、カイルの出現とレスリング部の副コーチの座が救いとなった。
そんなテリーの存在は、重くなりがちな物語に笑いをもたらしてくれる。
1人浮いていたりもするが(笑)
コーチのヴィグことスティーヴン・ヴィグマン(ジェフリー・タンバー)が、難しい顔をした面白味が少ない男だから、その対比で余計に・・・・

IMDbによると、カイル役のアレックス・シェイファーは、17歳の時にニュージャージーのレスリング選手権で優勝したらしい。
で、この作品がデビュー作。
第五腰椎を損傷したためにレスリングをやめたそうだが、無愛想な男子高校生役だったのが良かったのか凄く自然で、カイルの魅力が良く出ていたと思う。
この年代は、誰とも口を利きたがらないことがよくあるんだよね。

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2012年08月17日

MAMI BLUE

1人暮らしの80歳(本人は75歳と言っている)の母テレサ(マリア・アルフォンサ・ロッソ)が自宅で転倒し、額を怪我してしまった。
そこで、息子マルティン(フェレ・マルティネス)は嫌がる母を養護老人ホームに入れて一安心。
この街から出るため介護サービス料を払って欲しいと、ホンジュラスからの移民ルス・エステラ(ロレーナ・ヴィンデル)がそんなテレサに会いにやって来た。
手元には金が無いとつれなく言いつつも、これはチャンスと思ったテレサ。
余生は自分の家で過ごしたい。 自分の家があるウエルバに行きたい。 テレサはそう言って泣き出した。
ウエルバはポルトガルとの国境の街。
丁度ルス・エステラもポルトガルに行こうとしていた所。
ルス・エステラと意気投合したテレサは、こっそりホームから逃げ出してしまった。
それを知って慌てたマルティンは、テレサがいつも聞くラジオ番組で2人を探して欲しいと呼びかける。
もちろんテレサは車の中でそのラジオ番組を聞いたのだが、戻る気を起こすどころかガソリンスタンドで強盗までしてしまった。
マルティンだけでなく、シビル・ガードのマリア(ルス・ガブリエル)とマリオ(ダビド・フェルナンデス)からも追われることになってしまった2人。
ルス・エステラの元恋人アルマンド(レオ・リベラ)も、必死になって追っていた。
ルス・エステラが勝手に乗ってきたアルマンドの車のトランクには、彼がマフィアから奪った大金の入ったアタッシュケースが入っていたのだ。
もちろんアルマンド自身も、マフィアのパンチョ(ディオゴ・モルガド)とパコ(ルイ・ウナス)から追われているのだった。
そうとは知らないテレサとルス・エステラは目的の家に着いたのだが、石造りの懐かしの我が家は崩壊していた上に、20年前からここにテントを張って暮らしていると言うイギリス人のジミーまでいるではないか。
何とかそこに追いついたマルティンがホッとしたのも束の間、朝になってみると、テレサの姿が無かった。
「Mami Blue」で働いていると言うエドガードに会うためにポルトガルのサン・ビセンテ岬まで行くルス・エステラと共に、テレサも行ってしまったのだ。

スペイン語&英語字幕での鑑賞。
なかなかやってくれちゃう女2人。
あ・・マルティンやアルマンドに2人の行き先を教えた老人ホームのおばあちゃんも、侮れなかったけど(笑)
口喧しい奥さんクリスティーナに、どっしりとした秘書の女性に、かくしゃくとした母に対すると、非常に弱々しく見えるマルティン(苦笑)
シビル・ガードのコンビも、マリアのほうが主導権を握っていたな。
パンチョとパコ(どちらもフランシスコの愛称だね)は、若いパンチョのほうが主導権を握っているようだったが、パンチョは不思議君っぽかったよ(笑)
ボスもパンチョも鳥が好きなようで、ボスの愛鳥ロッシはギンガオサイチョウかな?

ルス・エステラの誕生日にエドガードがくれたメールに、「Mami Blue」で働いている事が書かれていた。
で、その店、メールの文面はdiscoとなっていたが、ディスコじゃなくてナイトクラブ?
この作品を見る人はいないと思うから書いてしまうが、ゲイバーだった。
エドガードは、予想通りナンバーワンの女装のお姉さま(笑)
彼女の口ぱくのパフォーマンスがなかなか妖艶でしっとりとしていて、思わずマルティンは涙を流してしまっていた。
綺麗なお姉さんがいる一方、ちょっぴり不細工ちゃんや髭と腋毛がばっちりなお姉さんも。
こじんまりとしていて、居心地が良さそうな店だったよ。

お目当てはもちろんフェレだ。
映画冒頭、新しく買った靴が届くのだが、オフィスで履き心地を確かめるときにダンスのステップを踏むマルティン。
「Mami Blue」でもダンスを踊っていたよ!!
「Mami Blue」は昔のポップスの「Mamy Blue」(O Mami Blue)とは関係ないのかな? 結構好きな曲なんだが・・・
少なくとも、マルティンが少し口ずさんでたのは全くメロディーが違っていた。
いい声だから、もっとちゃんと歌って欲しかったなぁ~

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2012年08月16日

アベンジャーズ

The Avengers

これから公開なので、控えめに。

ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が長官を務める国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.(シールド)では、世界を破壊するパワーを持つとされる四次元キューブの研究が、セルヴィグ教授(ステラン・スカルスガルド)によって進められていた。
ところが、突然制御不能になり別世界に通じるワームホールが開いてしまった。
そこから現れたのは、王子であったにも拘らず神々の国アスガルドから逃亡し、危険な種族チタウリと手を結んだ邪悪で知略に長けた神ロキ(トム・ヒドルストン)だった。
ロキはセルヴィグ教授と彼の研究の監視役だったエージェント、ホークアイことクリント・バーノン(ジェレミー・レナー)をコズミック・スピアにより洗脳し、キューブを強奪して逃げ去った。
この緊急事態に、フューリーは上層部からの反対の声を押し切って、エージェントのブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)をハルクことブルース・バナー博士(マーク・ラファロ/ハルクの声:ルー・フェリグノ)の元へ、フィル・コールソン(クラーク・グレッグ)をアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)の元へ派遣する。
フューリー自身も、キャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャース(クリス・エヴァンス)の元に自ら訪れ、世界を守るために再び戦うように説得するのだった。
ドイツに姿を現したロキは、驚くほど簡単に彼らに捕まった。
シールド本部に連行する途中、ロキの義兄でアスガルドの王子ソー(クリス・ヘムズワース)までもが地上に姿を現した。
特殊な監房に入れられたロキは余裕綽々。
洗脳されたセルヴィク教授によって作られているある装置に組み込まれようとしている肝心のキューブの在り処は、分からないまま。
望んで集まったわけでもない特別な能力を持つ彼らは、性格も違えば立場も違う。 その能力の種類も使う目的も方法も違う。
彼らの団結力や協調性はフューリーの思い描いた“アベンジャーズ”にはほど遠く、足並みが揃わぬ彼らは、洗脳状態のホークアイが率いる戦闘部隊による急襲を受け、ロキに逃げられてしまったのだ。
ソーとハルクも消え、アイアンマンの装備はボロボロ。
集結早々解散状態のアベンジャーズは、未知の敵から地球を守ることが出来るのであろうか?

「日本よ、これが映画だ」と言う謳い文句は、何を狙ってつけられたのかは良く分からないが、正直少しムッとした。
それが狙いだとしたら、まんまと乗せられた。
しかし、「これがアメコミ映画だ」と言うのなら大いに納得。
DCコミックとマーヴェル・コミックでは、少し毛色が違うように感じるので、一概に「アメコミ映画」と言ってしまってはいけないのかもしれないが、少なくとも哀生龍が好きなタイプの“アメコミ映画らしいアメコミ映画”だった。
個々のキャラの苦悩も描きつつ、気分爽快なほどのド派手なアクションもありつつ、軽いノリとコミカルなシーンも盛り込みつつ、繊細かつ大胆な娯楽映画として上手く盛り上げてくれていた。
ロマンス要素もあったが、控えめで哀生龍には丁度良かったな。
突っ込みどころが色々あるのも良いよね。
それこそアメリカの映画やドラマでよく見る光景のように、ボウルいっぱいのポップコーンを食べながら、友達とわいわい喋りながら見るのに持って来いの作品じゃないかな。

監督兼脚本のジョス・ウェドンは登場するキャラの多いアメリカのTVシリーズで脚本を書いていたからなのか、主役級のキャラをこれだけ集めた映画をすっきり分かりやすく見せてくれたと思う。
哀生龍はこの作品に関係する作品は一通り見ているが、見ていない人にも最低限の事は分かるように情報がしっかり盛り込まれているし、キャラの個性や使い分けも明確で混乱しないし、それぞれにちゃんと見せ場があるし・・・
本当に上手いなぁ~と思った。
約145分は長く感じなかったよ。
ここには書かないが、ちょっとしたキャラ同士のやり取りが面白くて面白くて、空気が重たくなった後やしんみりした後の場面展開に良いアクセントとなっていた。
1つ物凄く残念だと感じたのは、予告編の中にあるシーンが使われていたばかりに、“この後にあのシーンがきっと来るんだな”と予想がついてしまって、とあるシーンのハラハラドキドキ感が半減してしまった事。
たまに、予告に使われたシーンが本編に使われないと言う事もあるから、その予告のシーンが必ず来るとは限らなかったんだが、結果的には予想通りだったから。

この作品の中で、あの鼻持ちなら無いトニー・スタークに、“良いお友達”が出来たのが嬉しい(笑)
ポッツ嬢(グウィネス・パルトロー)との関係も順調のようだったし、相変わらず人工知能JARVIS(声:ポール・ベタニー)も健在だったし。
あ、そう言えば、今回が一番ポール・ベタニーの声だと分かりやすかったかも?
あるキャラとハリー・ディーン・スタントンが演じたキャラ(見た時は通りすがりの爺さんにも見えたが、IMDbによると警備員らしい)とのやり取りも、そこはかとない面白さがあったなぁ~
ひょっとして不死身キャラか? と突っ込みたくなったのは、シールドの副司令官マリア・ヒル(コビー・スマルダーズ)。
ソルジャー系エージェントのホークアイとスパイ系エージェントのブラック・ウィドウの、スピンオフが見てみたい!!
それから、神兄弟の日常って感じのソーとロキの“コメディ”も見てみたい(笑)
ついでに言ってしまえば、本当の北欧神話のソー(トール)の逸話とロキの逸話(2人が絡む逸話ももちろん)を、ヘムズワースとヒドルストンで作ってもらいたい!!!

今回特に楽しかったのは、やはりなんと言っても神兄弟
四次元キューブの存在があってこそではあるが、地球に災厄が見舞われた原因は兄弟喧嘩。
と言うか、自分の出自を知ったロキが拗ねて怒って妬んで、ソーが守護する地球を我が物にして見返してやろうとしたのがそもそもの発端だよね?
ロキは、自分が地球の王となって支配すれば、平和と自由が人類にもたらされる。 と、半分は単なる大義名分だが、半分は本気で自分にそれが出来ると思っている節がある。
そんな子供っぽい部分・弟気質な所がロキの魅力。
ロキは邪悪である前に、悪戯っ子。 狡賢さを発揮するのは、世界制服のためと言うことはもちろんだが、何よりも兄を困らせたいがためなのだ。
シールドに連れて行かれる機内で、雷の音にビクッとしたロキ。
雷が怖いんじゃなくて、その後が・・・(笑)
兄ソーが怒るのが嬉しい。
自分を叱り懲らしめに来てくれるのが嬉しい。
どんな悪さをしても、見捨てたり無視したりせずに必ず鉄槌を下しにプンプンしながら現れてくれるのが嬉しい。
そんなロキが、とにかく可愛らしくて堪らない!!
また、ソーもソーだ。
アスガルドの王子としての出来が悪くても、血が繋がってないと分かっても、どんなに邪悪な事をしでかしても、弟を見捨てないし、愛のお仕置きをしてやるし、やっぱり可愛い弟だと言う思いを持ち続けているし・・・
親馬鹿ならぬ、兄馬鹿っぷりが良いよね!!!

で、エンドクレジットの後のシーン。
この間が凄く良い(爆)
行きたかった店は自分たちで壊滅状態にしちゃってたんだろうね、きっと(苦笑)

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2012年08月15日

テイク・ディス・ワルツ

Take This Waltz

公開中なので控えめに。

鳥料理の本を出すために、日々自宅のキッチンでレシピの研究をするルー(セス・ローゲン)と、フリーライターとして取材・執筆をしているマーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)は、結婚5年目になる仲の良い夫婦
史跡の取材中にマーゴが出会った男は、偶然にも帰りの飛行機でも一緒。
言葉を交わす中で本音を打ち明けあった2人は、飛行場から家までタクシーを相乗りすることに。
タクシーを降りる時、マーゴの口から「夫がいるの」と言う言葉が出た。
2人の間に、何かが芽生えた事を感じ取ってしまったのだ。
その上、信じ難いことに自宅から道を挟んだ斜向かいに住んでいることが分かった。
料理中のルーにちょっかいを出しじゃれあったり、時々遊びに来る義姉ジェラルディン(サラ・シルヴァーマン)の娘トニーとふざけあったり、ホームパーティーを開いて身内や友人たちにルーの新しい料理を味見してもらったり・・・
そんな幸せでゆったりした日々を送るマーゴにとって、ダニエルは新たな刺激だった。
それとなくマーゴはダニエルを見ていた。 同じようにダニエルもマーゴを見ていた。
リキシャを引いて湖に仕事に行くダニエルを見送るマーゴ。
ジェラルディンたちと一緒に水中エクササイズに参加したマーゴをプールサイドから見ていたダニエル。
少しずつ2人で過ごす時間を持つようになったマーゴとダニエルだったが、ぎりぎり一線を越えることは無かった。
しかしある日とうとう、いつもと同じ日々をいつも通りに過ごすルーとの生活に不満は無いはずだったのに、物足りなさを感じていたことを自覚してしまったマーゴは・・・

なるべくネタバレは避けたつもりだが、先入観を持たずに見たい方は、以下を読まないことをお勧めする。

サラ・ポーリーの監督・脚本による、夫以外の男に恋心を持ってしまった女性の物語。
セス・ローゲン目当てに見ることにしたのだが、見る前から“多分哀生龍には合わない内容だろうな”と感じていた。
先入観は良くないが、女性の監督・脚本家が描く女性が主役のこのタイプのドラマは、経験上、哀生龍には合わない確率が高いんだよね。
下手をすれば、主役の女性にイライラしてしまう。
映画としては、とても穏やかなのに繊細で息苦しくなるほどの不安を感じさせられる、丁寧な作りの作品で評価が高いのは良く分かる
しかし、マーゴという女性のことは好きになれないというか、その気持ちも分かるが許せない・許したくないというか・・・

“不倫”の話と言うよりは、女性が求める愛情表現と幸せの形の模索と言った趣があった。
ルーとの温かい家庭は夕日のような柔らかい朱色がかった色合いでふんわりと見せ、ダニエルとのドキドキする時間は鮮明な色合いでシャープに見せている。
落ち着いた安らげるとの家庭生活と、ドキドキワクワクする恋人との時間。
この両方を同時に求めるのは間違っているのか?
両方を満足させるには、2人の男が必要なのか?

これは恋人と見ると気まずくなる映画かもしれない。
夫婦関係が落ち着き過ぎて物足りなさを感じるようになった妻が、夫に見せて暗に“今の幸せの上にのうのうと胡坐をかいているとこうなるわよ!”と警告を発するのに丁度いい映画? (笑)
映画やドラマでは、子供をベビーシッターに預けて、2人の時間を恋人のように過ごすのを習慣にしている夫婦を良く見かけるが、“恋人のように”というのと“恋している真っ最中の2人”というのとでは、全く別物なんだろうね。

結婚5年目
子供がいないことでまだまだ恋人のようなはしゃいだ気持ちがある反面、友達夫婦のように落ち着いてしまっていて倦怠期に似た雰囲気もある。
もうそろそろ子供を持っても良い頃合。 もう少し今のペースのまま2人で楽しく過ごしていたい時期。
ちょっとした性格やペースの違い、気持ちの盛り上がりのタイミングのずれが、凄く気になる頃でもある。
全てが好ましく見えた恋人時代から、相手の欠点や自分との違いが見えて来てそれでもなお幸せを感じられる夫婦時代へとの移行時期。
そんな微妙な時期に差し掛かった若い夫婦の物語。

少しだけ、一般的な夫婦とは違う設定。
夫は家で仕事をしていて、キッチンを占領している。
妻はフリーで働いていて、夫と一緒にずっと家で過ごせると同時に、取材に出かけることで新しい出会いのチャンスもある。
もしルーが外で働いていたら、マーゴは仕事中の彼にモーションをかけることもないし、彼から邪魔がられることもない。
キッチンも自由に使えるから、普通の主婦のように昼間お菓子を焼いたり、早くから夕食の準備に取り掛かることも出来るだろう。
目の前にいるのに構ってもらえないから物足りなく感じることも、はなから夫が仕事で昼間は家にいず自分は自分でやる事があれば、それが当たり前で不満を覚えることは無いかもしれない。

マーゴという女性は、男には分かりにくく少々扱いにくい女性の特徴を強く出していると感じた。
突然感情が変化する。
前兆が無く、はっきりとは表に感情の動きが出て来ないから、男が戸惑っている内にまた次の感情に変化してしまい、結局彼女は失望する。 その失望感や怒りは、自分に対してだったり、相手に対してだったり。
浮気をすることや夫の欠点を口にするのは、夫に悪いし夫を傷つけるし夫に対する裏切りだしと言う彼女だが、結局の所、浮気をしたり夫の欠点を愚痴るような女だとダニエルに思われたくないだけに見えてしまった。
穏やかで平和で暖かで幸せな家庭を築いてくれている優しい夫ルー。
その反面、刺激や情熱的な興奮が得られず物足りなさを感じてしまう。
それを補ってくれるのがダニエル。
ダニエルの良いところは、刺激と興奮を与えてくれるにも拘らず性急に強引に体を求める事はなく、マーゴがそうなるまでじっと待ってくれる所。
彼女を言葉や態度で追い詰めたり攻めたり詰ったりしない上に、彼女の夫でありご近所さんでもあるルーとも大人の対応をしてくれる所。
はっきり言って、ルーとダニエルはマーゴと言う女にとって都合の良い男たちなのだ。
穿った見方をすれば、監督・脚本がサラ・ポーリーであることから、女性の視点から・女性の立場から作られた作品という印象が強い。
2人の男の感情や本音も仄かに醸し出されているし、十分に推し量れるが、それをマーゴに直接ぶつけることはほとんど無い。
プールのシャワールームでの会話(人生の大先輩たちからのコメント)や、最後の方の義姉ジェラルディンが口にした本音の中で、マーゴの考えや行動を否定・非難する内容が出てくるが、それも女の口から出た言葉で男の言い分じゃない。
だからこそ余計に、ルーの“あのシーン”は堪えたよ。

テイク・ディス・ワルツ:2011の作品
ミシェル・ウィリアムズ:1980.09.09生まれ
セス・ローゲン:1982.04.15生まれ
ルーク・カービー:1978.06.21生まれ
いつも実年齢よりもかなり上に見えてしまうセスだが、今回はさすがに若く見えた。
と言うか、哀生龍の記憶にある範囲では、いつ見てもミシェル・ウィリアムズの表情には生活疲れを感じてしまうんだよね。
若いのは若いんだが、老け込んで見えてしまうと言うか・・・
哀生龍が苦手な顔立ちなのかもしれない。

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2012年08月14日

トータル・リコール

Total Recall

公開中なので控えめに。

戦争後、人類が住める地域はほぼ2ヶ所だけになってしまった。
裕福層が暮らすのは、コーヘイゲン(ブライアン・クランストン)が代表を務める、イギリスを中心としたブリテン連邦(UFB)。
そして、毎日“フォール”でUFBに通勤して労働力を提供する貧困層が住むのは、地球の反対側のオーストラリアを中心としたコロニー。
搾取されるだけの現状を変えるべく人類の平等化とコロニーのUFBからの独立を訴える反対勢力、マサイアス(ビル・ナイ)をリーダーとするレジスタンスが、UFBでテロ活動を行い、連日ニュースで報じられていた。
コロニーの住人で、UFBではロボット警官“シンセティック”の生産工場で働いているダグラス・クエイド(コリン・ファレル)は、毎晩同じ悪夢に悩まされていた。
病院から女と逃げ出そうとして、自分だけ捕まってしまう夢だ。
ある日、望みの記憶を書き込んでくれると言うリコール社に興味を覚えたダグラスは、同僚で親友のハリー(ボキーム・ウッドバイン)にそのことを話してみた。
ハリーは脳障害を起こし廃人となった知り合いの例を出して止めたが、結局ダグラスはリコール社に行くのだった。
彼が選んだシチュエーションは、
ところが、装置が起動し始めたその時、突然警官隊が突入。
平凡な単なるライン作業員にも拘らず、ダグラスの体は勝手に反応してその警官隊を全滅してしまった。
ショックを受け呆然となりながらも家に逃げ帰ったダグラスが、妻ローリーに(ケイト・ベッキンセール)に事の次第を話して聞かすと、突然彼女までもがダグラスに攻撃を仕掛けてきたではないか。
驚いたことに、ローリーとの結婚生活の記憶は植え付けられたニセモノで、彼女は彼を監視することが任務だったのだ。
記憶を書き換えられる前の自分が残したヒントを辿ることになったダグラスは、夢に出てきたあの女性メリーナ(ジェシカ・ビール)と行動を共にすることになる。
だが、ハリーが説得役として逃走するダグラスの前に現れた。
「お前はリコール社でを見ているんだ」
そうハリーは言うが・・・

オリジナルも、薄っすらと断片的に記憶にある。
恐らくTVで流れた予告編を見たとか、TV放映時に一部見たとか、その程度のことだと思う。
一般的に、リメイクはオリジナルを超えられない、と言われることが多いから、あえてオリジナルはリメイクを見てからレンタルすることにした。

ストーリー的な部分では、裕福層と貧困層の対立、特にそこに暮らす人々の想い・本音があまり伝わって来なかったため、単なるダグラスの記憶を辿る追っ手からの逃避行・本当の自分を取り戻すための戦いにしか見えず、大掛かりな舞台設定が活かされていないように感じてしまった。
UFB代表のコーヘイゲンの主張や、それに対するレジスタンスの言い分は分かるのだが、今の日本の国民不在の政党同士の政権争いに似た印象を受けてしまったんだよね。
特にコーヘイゲンの自分の計画の巧さ・読みの深さを自画自賛するような底の浅い小物っぷりは、お馬鹿さんにしか見えずに、腹立たしい以前に呆れてしまうほど。
そんな男と対立するマサイアスの方も、存在感もカリスマ性も感じられないチラッと顔を出した程度の描かれ方。
特に監督がレン・ワイズマンで演じているのがビル・ナイだったものだから、「アンダーワールド」繋がりの友情出演? と思いたくなってしまったよ。
同じく、メリーナに比べて格段に目立っていたローリーに対しても、オリジナルの方が分からないから前よりも出番が増えたのか同じなのかは比較は出来ないが、監督の奥さん贔屓? と穿った見方をしたくなるわけで・・・(^^ゞ
いやいやいやいや、そんな偏見で見ちゃいけないんだよね。
そういう人間関係を知らずに見たら、そんな風に感じることも無いはずなんだから。

映像的な部分では、大満足
スピード感がある逃走シーンは、カメラの動きが速過ぎて目でしっかり追えない事や酔いそうになってしまうことが結構あるのだが、この作品は全然そんなこと無く楽しめた。
スピード感も十分に感じられるし、しっかり目で追うことが出来るし、酔いそうになることも無い。
近代的な乗り物や機器と猥雑としたアジア風の町並みとが、不思議と馴染んでいて、目がすっと受け入れるのも疲れない理由だと思う。
あれだけスピーディーな展開なのに、全然目が疲れないのは驚き。
3Dじゃないのも良い。
もちろん3Dにしても良いタイプの作品だとは思うが、このクオリティならわざわざ3Dにする必要は無いし、3Dにすりゃぁ良いってもんでもないからね。

ビル・ナイの出番が少なかったのはとっても残念だったが、いつものあの指使いが見られたから良しとしよう(苦笑)
コリン・ファレルは、“実はスパイだった単純作業の肉体労働者”という設定に、かなりは待っていたと思う。
頭をあまり使わないようなお馬鹿キャラも似合うし、肉体派キャラも似合うし、頭の回転の速いキャラも似合うし。
あの立派な眉を八の字にした、困った表情もチャームポイントだし(笑)

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posted by 哀生龍 at 00:48| Comment(2) | TrackBack(2) | | 更新情報をチェックする

2012年08月13日

スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜

Mientras duermes
Sleep Tight


公開中なので、控えめに。

マンションの住み込みの管理人セサル(ルイス・トサル)は、気さくで親切で雑用も厭わない。
郵便物を集合ポストに分け入れるのも、朝刊を取ってくるのも、ドアを開けてあげるのも。
ベロニカ夫人(ペトラ・マルティネス)に頼まれて、彼女の留守中に愛犬に餌をあげることある。
そう、彼は仕事柄、全室の合鍵を持っているのだ。
入院中の母のお見舞いも欠かさず、「困った住人はクララだけ。 でも心配ないよ」と日々の様子を離して聞かせる優しい息子。
中には病院からの戻りが少し遅れただけでも、「また遅刻した」と苦情を言う4Bの男(カルロス・ラサルテ)のような住人もいるが、概ねセサルにとっては居心地の良い職場だ。
彼が問題視しているクララ(マルタ・エトゥラ)は、いつも元気で明るい女性。
少し好くないことがあっても、くよくよせず前向きに頑張るタイプ。
そんな彼女は最近目覚めが悪く、顔も荒れてきている。
それには彼女が知りえない理由があった。
毎晩、彼女が帰宅前にセサルは彼女のベッドの下に潜み、彼女が寝付くとクスリで更に深く眠らせ、早朝まで彼女のベッドで眠り、彼女の歯ブラシで歯を磨いてから帰っていた。
それだけでなく・・・
彼女の部屋に勝手に出入りしている事を知っているのは、向かいの部屋の生意気な少女ウルスラ(イリス・アルメイダ)だけだったが、彼女への口止めも抜かり無し。
そんなセサルの本当の楽しみとは・・・

“白肌の美女の異常な夜”という副題や、“禁断の妄想シチュエーション・エロス!”という煽り文句のせいで、もしかするととても官能的な作品だと誤解される方がいるかもしれないが、はっきり言って違う!
おそらくチラシ等に書かれているあらすじは、セサルの本当の目的をあえて書いていないのだと思うから、哀生龍もここでは触れないで置くが、少なくとも一般的な男の妄想や欲望を満足させるためにやっているんじゃない。
仮にも監督は、スペイン・ホラーのジャウマ・バラゲロだ!
特に最近の「REC/レック」シリーズで知っている人も増えたと思う。
哀生龍はホラーが苦手で、特に好みじゃないため当の「REC/レック」シリーズは見ていないのだが、監督と脚本を兼ねている「ネイムレス/無名恐怖」「ダークネス」「機械じかけの小児病棟」は不思議と好きなんだよね。
正直内容を知った上で見直しても怖くて仕方が無いのだが、それでも惹かれるものがあるのだよ。
もちろん、撮影のシャビ・ヒメネスが持つ色合いも重要な要素だけどね。

そんな訳で、この作品もある種のホラーだ。
美女のベッドの下に潜み、ベッドを共にし、歯ブラシを共有するなんて、“エロス”な要素もあることはあるが、それよりも“性質の悪いストーカー”に付け狙われている状況が気持ち悪い
セサルの本当の目的とその執拗さ、種明かしをするタイミングの残酷さ、目的のためならじっと待つことも嫌味に耐えることも笑顔を見せ続けることにも耐えられるその性格が、不気味で恐ろしい
この作品の脚本はバラゲロ監督本人じゃなく、また撮影もヒメネスじゃない事から、哀生龍が好むバラゲロ監督の作品とは少し違っていたし、バラゲロ監督にしては怖さもソフトだったが、これはこれで十分に楽しめた。
正直、何度も心の中で「ふっふっふっ」と笑ってしまった。
セサルの被害者に同情するどころかセサルの正体に気付かない彼らを笑う自分はなんて下種野郎なんだと思いつつも、映画として楽しいものは楽しいのだ!!

舞台はバルセロナ。
管理人が合鍵(またはマスターキー)を持ち、住人に頼まれれば留守中に部屋に入って水道工事をしたりなんだりという事は、当たり前の事なのだろうか?
ちょっとした不具合の修理を管理人が自分でするシーンは、スペイン映画に限らず色々な映画で見るが、留守中に勝手に入らせるほど信頼関係が成立しているのが、哀生龍には不思議でならない。
外から開け閉めできないドアチェーン・ドアガードをかける習慣をつけてないと、寝ている間に出入りされても気付かないよなぁ・・・
怖い事だ。

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2012年08月10日

J・エドガー

J. Edgar

FBI長官のジョン・エドガー・フーヴァー(レオナルド・ディカプリオ)は、そろそろ色々語っても良い頃合かも知れないと考え、捜査官に回顧録の口述速記をさせることにした。
それは、彼がキング牧師を警戒するようになっていた頃の事だった。
1919年。
司法省のパーマー長官より、共産主義と戦うために新設された部門「過激派対策課」の課長に任じられた。
まだ24歳の事だった。
母(ジュディ・デンチ)から常々過大な期待をされて育ってきたエドガーにとって、それは誇らしい昇進だった。
同じ頃に秘書課に入った新人秘書のヘレン・ガンディ(ナオミ・ワッツ)へのプロポーズは断られてしまったが、エドガーは結婚よりも仕事と考える彼女を個人秘書にすることには成功した。
その当時、連邦法も脆弱で、捜査官の武器携行が許されていなかった。
その上、科学捜査の技術も未熟で、現場保全や指紋や遺留品への意識も低かった。
司法省に入る以前に、国会図書館の「検索カード」システムを構築したエドガーは、この手法を用いて犯罪者や犯罪者予備軍の情報を分類整理すれば、すぐに犯罪者を捕まえられると考えた。
犯した罪ではなく、これから行うであろう犯罪、つまり疑わしき者の思想にも着目したエドガーは、信頼の置ける僅かな部下と共に一斉検挙に踏み切った。
作戦は成功したが、同時に、国民の敵・脅威が無くなったがために、国民の司法に対する興味が薄れてしまったのもまた事実だった。
こうして司法捜査局の多くが職を追われた中で、エドガーは局長代行となる。
受ける条件としてエドガーが出したのは、政治と切り離し、政治家の影響力を排除する事だった。
スタッフは能力重視で採用・評価した。
生涯の右腕となるクライド・トルソン(アーミー・ハマー)を採用したのも、丁度その頃だった。
また同じ頃に、“情報は力”と認識していたエドガーは、機密ファイルをヘレンに保管させるようになった。
あらゆる手を使って集めた政治家や権力者の機密ファイルは、8人の大統領の下48年間もの長きに亘ってFBIに君臨したエドガーの強力な武器となるのだった。

FBI初代長官として有名なジョン・エドガー・フーヴァーの功罪を、公人・私人両面から描き出した作品。
監督がクリント・イーストウッドだし、主人公がFBI長官だし、140分近くもあるし・・・
真面目で堅苦しくて重たい描き方だったらしんどそうだなと思ったのだが、どうしてどうして、なかなか面白味を感じさせてくれる描き方で飽きずに楽しめた
リンドバーグ愛児誘拐事件や連邦法の強化、科学捜査の手法の確立・レベルを高めていく様子など、“FBI”の存在意義なんかも改めて知ることが出来たしね。

エドガー本人の人となり・人間性・良い面も悪い面も、興味深かった
“エドガーと言う男を作ったのは、間違いなくこの母!”と思わせてくれるエピソード、次第に偏狭的にそして偏執的になり目的と手段のあり方を見失ってしまった所、生涯の盟友たちヘレンとクライドとの関係・・・・・
どれぐらい事実なのか演出なのか、哀生龍には全く分からないが、“映画”としてはもう少し掘り下げて欲しいと思った部分。
と言うか、興味を引かれた部分と言った方がいいかな?
特にヘレンの事はあっさりだったから、何故そこまでエドガーに忠誠を尽くしたのか、彼女の気持ちを覗いてみたかったよ。
クライドが右腕になるときに出した「良いときも悪いときも、必ず昼か夜は一緒に食事をする」って感じの条件は、まさしく夫婦円満の秘訣だと思う(笑)
仕事で何か嫌な事があった日や腹を立てた日だけでなく、たとえ2人が喧嘩をした日ですらも、必ず1日1回は一緒に食事をする。 それって大事な事だと思うよ。



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2012年08月09日

ドリアン・グレイ

Dorian Gray

祖父の遺産を継ぐために、田舎からロンドンの屋敷に越してきたドリアン・グレイ(ベン・バーンズ)。
垢抜けていなかったが美青年である彼は、ピアノコンサートで一流画家のバジル・ホールフォード(ベン・チャプリン)から声をかけられた。
それから2週間。
バジルは彼の肖像画を描きながら、彼を上流階級の集まりに連れて行ってやっていた。
しかしドリアンはもう少し派手なパーティを望み、そこでヘンリー・ウォットン卿(コリン・ファース)と出会ったことが、彼の人生を大きく変えるきっかけとなった。
バジルの描きあげた肖像画の素晴らしさに、ドリアンは、この永遠の美貌と引き換えに、悪魔に魂を売り渡さなければと言う。
そんな純朴なドリアンが婚約を決めた相手は、場末の劇場の女優、オフィーリア役を演じていたシビル(レイチェル・ハード=ウッド)。
しかし、ヘンリーらはそれを喜んではくれなかった。
それどころか、ヘンリーはドリアンを娼館に連れて行き、アヘンを吸わせ・・・
結果としてシビルは身を投げてしまうのだった。
快楽の代償として心が穢れる。 そう信じていたドリアンに、次々と享楽と悪い遊びを教えていくヘンリー。
センスも磨かれ、若い女も他人の奥さんも時には男までもが彼の相手となった。
ドリアンは気付いた。
自分の傷も汚れも、自分の肖像画が肩代わりしてくれる事を。
そんなある日、パリで開く個展に肖像画を貸して欲しいと、バジルから頼まれた。
どんどん醜くなる肖像画を、秘密の部屋に鍵をかけて仕舞い込んでいたドリアンは、困り果て・・・

オスカー・ワイルドの有名な小説の映画化。
正直、ベン・バーンズは田舎から出てきたばかりの美青年には見えても、多くの人々の心を掴むほどの美貌を持つ類稀なる美青年には見えなかった。
好みの問題だから、こればかりはしょうがないのだが。
覚えたばかりの悪い遊びやセックスの快楽に溺れちゃってる、ただの若者の暴走にしか見えなかったから、少し物足りなかった。
色気、妖艶さ、そんな空気感がもっと欲しかったな。

上流階級に身を置く芸術家の割りに、とても常識人だったバジル。
友人として、最高の肖像画を描かせてくれたモデルとして、ドリアンを大切に思っているのが伝わってきた。
シビルも可愛そうだっがた、彼も可愛そうだったなぁ・・・
彼が素晴らしい肖像画を描いてしまったがために、こんな事になったのかもしれない訳だし。
そして、悪い道に引き込んで張本人のヘンリー。
少し退廃的な雰囲気はあるものの、遊びなれた大人の男の魅力と上品さを保ち、自分自身は際どい所で溺れずにいる。
そんなヘンリーの、悪い奴なのに嫌いになれない魅力と言うのは、コリン・ファースが演じているからなんじゃないかと思う。

建物の中は、なかなか重厚感があった。
それに対して、建物の外観や風景が薄っぺらく見えたのは残念。



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posted by 哀生龍 at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2012年08月08日

地獄のデビル・トラック

ザ・トラック
Maximum Overdrive


1987.6.19 午前10時前。
電光掲示板やATMの画面に、人間を馬鹿にするような文字が表示された。
跳ね橋が勝手に作動し、大事故が起きた。
自動販売機が缶ジュースで攻撃した。
ビル・ロビンソン(エミリオ・エステヴェス)が働く、ヘンダーショット(パット・ヒングル)がオーナーのドライブインでも、次々と不可思議なことが。
ラジオの調子が悪くなり、電動ナイフのスイッチが勝手に入って人を襲い、自動販売機やゲーム機が勝手に作動し、給油機が人間に向かってディーゼルを噴射し・・・
勝手に動き出したハンディ(フランキー・フェイソン)のトレーラー・トラックが、他のトレーラー・トラックをとコンボイを組んでドライブインの建物をぐるぐると取り囲んで威嚇
果ては軍用車両まで呼び寄せ、偶然ドライブインに居合わせた人間たちに銃口を向けた。
追い詰められ、ビルたちは脱出方法を模索するのだが・・・・

スティーヴン・キングの短編小説の映画化。
本人が脚本を書き、本人もチラッと登場する、本人の初監督作品
スティーヴン・キング原作の映画は、有名なヒット作を除くと、B級テイストのものが結構多いと感じていたのだが、本人が監督してもやっぱりB級なんだな(笑)
噂では、本人も失敗作だったと認めているようだが、予告を見る限り、作った当時はかなり自信満々だったと見受けられる。

機械が暴走し、それらの創造主である人間に反乱を企てる。
色んな機械が色んな方法で人間を襲うのだが、1986年当時はどうであれ、今見ると凄くベタなコメディにしか見えない。
トマトが人を襲うアレと、どっちが怖いだろう?
色んなパターンを見せることを本人が楽しんでしまったのか、時間配分や力の入れ具合のバランスがちょっと・・・
( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
でも、SFB級ホラーコメディとして見る分には、嫌いじゃないよ、哀生龍は。

機械の暴走のきっかけは、地球の側を通過した彗星の影響によるもの、という設定。
そして、その影響は地上だけで無く・・・
本当に、コメディの落とし方としか思えない、素敵な結末だった(爆)

お目当ては、エミリオ・エステヴェス。
他にも何人も登場人物はいたが、省略!



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posted by 哀生龍 at 06:17| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2012年08月07日

ミノタウロス

Minotaur

ミノス王国では、牡牛をもっとも偉大なとして信仰していた。
いつしか彼らは生きた神を望み、王妃と牛を交わらせ、神と人間の子として魔物ミノタウロスを誕生させたのだった。
属領テナでは、王子を死なせた罰として、3年に1度、8人の若者を迷宮に棲む魔物への生贄として差し出すことになってしまった。
5度目の生贄の時が近付いていたある日。
村長(ルトガー・ハウアー)の息子ゆえに、次期村長として生き延びなければならないテオ(トム・ハーディ)は、生贄候補から外されていた。
そんな彼を妬み、臆病者と罵るものも多い。
また、戦おうという者もいる一方、戦えば破滅すると言われている事から、戦いは避け今年も生贄を出そうという者もいた。
そして、ついに王の使者が生贄となる若者を連れ去りに来た。
親友ダニュ(ジョナサン・リードウィン)と恋人のモーナ(マイミー・マッコイ)も、生贄として捕まった。
テオは父の命に逆らい、生贄の1人と入れ替わった。
その目的は、ミノタウロスや王を倒すためではなく、3年前に生贄となった恋人フィオンがまだ生きているとの情報を得たからだ。
彼らは王デュカリオン(トニー・トッド)の妹のラファエラ王女(ミッシェル・ヴァン・デル・ウォーター)は、前に連れ出された8人の中から、テオに目を止める。
彼女のまた、魔物から解放されたいと願う一人だった。
そのためには、テオの手助けが必要だったのだ。
彼らが落とされた迷宮で1人また1人とミノタウロスの犠牲になる中、テオはフィオンを探し出せるのか?
魔物から解放され、迷宮から生きて帰れるのか?

「アイアンクラッド」を見て、ジョナサン・イングリッシュ監督に興味が湧いたのと、主役がトム・ハーディだったのとで、借りてみた。
が、予想通りのB級ファンタジー・ホラー(笑)
B級物は好きだよ!
なんだかんだ突っ込みつつ、楽しんじゃったりする哀生龍だよ。
でもこの作品は、なんと言うか、とても惜しい!! って感じがしてしまった。

ミノタウロスの誕生までは、なかなか面白そうな雰囲気もあったし、生まれたてのミノタウロスは牛の頭を持った人間だったしで、ちょっとは期待したんだが・・・
迷宮に現れるミノタウロスは、思わせぶりにチラチラと映る程度ながら、どう見てもただの牛の化け物
首から下の人間らしさはどこへやら(苦笑)
冒頭でギリシャ神話に触れたから、ギリシャ神話になぞらえたストーリーなのかと思えば、そうでもなかったし。
若手俳優を使った、学生たちがどんどん惨殺されていく青春ホラーに似た展開だった。
8人もいるのに、それぞれの描き方が浅くて、ただただ殺されるために出てきただけのような感じで、勿体無いと思ったよ。
恋人を見つけ出し連れ帰るのが目的の割りに、テオは何の下準備もしてきていなくて、出たとこ勝負ってのも・・・・
これじゃ、ヒーローにもなれないじゃないか(苦笑)



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posted by 哀生龍 at 06:27| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする