Carpe diem !! “刹那”こそが全て!!

過去も未来も関係無し! 「今」のために生きていたい!
今も昔も変わり者。きっと未来も変わり者。そんな刹那主義のAB型。

2004/11/30以前の日記は、旧日記から移し替えた分です

相変わらずTBの送受信が上手くいかないことが非常に多いようです。
ご迷惑をお掛けして申し訳ないです。

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2006年07月30日

トランスアメリカ

TRANSAMERICA

公開中なので控えめに!

性同一性障害のブリー(フェリシティ・ハフマン)は、最後の手術目前だった。 後は信頼しているセラピストのマーガレット(エリザベス・ペーニャ)に、同意書にサインしてもらうだけ。
いつものようにマーガレットの問いかけに答えるブリーは、いつもと違う些細な出来事を口にした。
ブリーの息子だと言う17歳の少年が捕まり、NYの拘置所にいると連絡があったのだ。
過去に1度だけ女性と関係を持っていたブリーだったが、“”として息子に会いたくはないし、とにかく目先の手術の事で頭がいっぱい。
しかし、このまま手術をするのは良くないと考えたマーガレットは、サインをせずに少年に会いに行くようにブリーを説得した。
今回の手術を逃したら、次に予約が取れるまでまた長い事待たなければならないし、手術費用のためにコツコツ貯めたお金に手をつけることもしたくない。
気乗りがしないままLAからNYまで出向き、息子トビー(ケヴィン・ゼガーズ)を1ドルで保釈したブリーは、地味な格好をしていたせいか教会から派遣された人だとトビーが誤解をしたのを利用し、自分の素性は明らかにしなかった。
そして、彼の母は亡くなったが継父がいる事を知ってそこに送り届けようと考えた。
こうして初めて出会った父子は、短い大陸横断(トランスアメリカ)の旅に出ることになったのだ。

トランスアメリカと言うタイトルは、勿論ブリーがお金を節約するために飛行機を使わず、車で移動したロードムービーそのものも指しているが、きっとトランスジェンダー(Transgender)にもかけているのだろう。
女性になりたいブリーは、スタンリーと言う本名を捨てサブリナとなり、家族と離れて暮らしている。
手術費を貯める為の地味な生活。 ホルモン治療や整形手術で少しずつ見た目は女性らしくなっているものの、自分の容姿的欠点を気にしてか、顎のラインを隠すような髪型にのどを隠すスカーフに足を隠す長めのスカートで、彼女なりの完全武装をしている。
でも、“私は可哀想・私は頑張っている”と言った気負いを相手に感じさせることはなく、さすがに父と名乗りを上げることは躊躇われるが、だとは思っていない。
トビーは今時の少年らしく、言葉使いや態度がやや粗暴で、ドラッグやタバコやアルコールは当たり前。
母を亡くした状況や継父との関係から、やや世を拗ね自暴自棄になってもっと悪い方に行ってしまう可能性もあるが、自分を保釈してくれたブリーの小うるさい母親のような言葉に耳を貸す程度には、素直な部分を残している。
一応将来の夢もあるし、殊更ワル振る気もない。

この作品は大きな抑揚はない。 物凄く盛り上がるシーンも泣くための極端な演出もない。
しかし、心に響く暖かさと優しさが心地良かった
まずは主役2人が、自分を惨めだとか可哀想だとか思わせるような、負のエネルギーを出していないところが良い。
自分の置かれた環境・状況を誰かのせいにして嘆くのではなく、前向きに改善しようとしているし、自分は努力しているんだと声高に叫ぶのでもない。
ブリーのトビーに対する態度は、自分の息子だから仕方なくと言うよりも、道を踏み外しそうな一青少年としてのトビーに、見捨てて置けないものを感じたように見受けられた。
だから、必要以上にベタベタしたところがなく、清々しさすら感じる。

性同一性障害やゲイのストーリーではなく、“1人の人間として自分を見詰めなおして気持ちを整理し、他の人間との関わりに暖かさや優しさを感じ、少しでも昨日より今日・今日より明日を良い人生にして行こう”と言っているストーリーだと思う。
そして、お堅いだけでなく、随所に笑いをきかせているところも魅力的。
多くの人にお勧めできる作品だった!

おまけに出演者が素晴らしいんだよ。
監督と脚本は、これが長編デビュー作となるダンカン・タッカーだが、製作総指揮がウィリアム・H・メイシーと言うこともあってか、脇を固めるみんなが凄い。
寛容なブリーの父マレーはバート・ヤング。 息子が娘になることは許せないけれど、突如現れた孫に大喜びの母エリザベスにフィオヌラ・フラナガン。 ややこしい状況を楽しんでいる妹シドニーはキャリー・プレストン。
そして、ブリーに親切にしてくれたカルヴィンにグレアム・グリーン。
ついでに、ヒッチハイカー役のグラント・モノホンが、将来どう化けるのかちょっと楽しみ(笑)

勿論ハフマンの役作りは、驚愕するぐらいの仕上がり。
詳しくは述べないが、トランスジェンダーそのものに見えてしまう。
恐らく現実世界では、そう気付かせないぐらい完璧に生まれた時の性から望む性に変わっている人もいるだろうが、映画の中で“不自然でないのにトランスジェンダーだと分かる”バランスの微妙で難しいキャラクターを、見事なまでに作り上げていた。
そして、将来有望なゼガーズ。
整った顔をしているから、普通の好青年役をやって青春群像劇に出たら埋没してしまいそうなぐらいなのだが、この作品では、過去を引きずりながらも堕ちきっていないトビーの魅力を充分引き出していた。

誘ってくれたMさんに、大感謝!!!
素敵な時間をありがとう♪
posted by 哀生龍 at 09:20| Comment(4) | TrackBack(10) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なかなか良いストーリーですよね〜。私も好きな映画です。
ブリー役、普通はこの手の役って、男優さんがやるっていうパターンが多いと思うけど、女性なのにフェリシティ、凄く上手く演じていましたね。
Posted by くまごろう at 2006年07月31日 07:11
くまごろうさんも見ていらっしゃったんですね!
>普通はこの手の役って、男優さんがやるっていうパターンが多いと思うけど
そうですよね。
勿論うまい男優さんも大勢いますが、こんなにキャラにピッタリだと、男優さんにこだわらなくて正解だと感じました!
Posted by 哀生龍 at 2006年07月31日 07:29
いつもの「公開中なので控えめに!」で始まりながら、
いつもよりレヴューが長かったような気がしますー♪

親子の愛と絆をがっつり取り戻すっていうんじゃないところがよかったです。
自分らしさを大切にするブリーはとってもステキでしたー
キトゥンもブリーもどちらもステキな生き方をしているけど、
キトゥンの世界はおとぎチックだったのに比べこちらは現実的だったかも。
Posted by かえる at 2006年08月21日 13:36
>いつもの「公開中なので控えめに!」で始まりながら、いつもよりレヴューが長かったような気がしますー♪

あ・・・確かに(笑)
ストーリーの核心に触れなくても、色々書く事が出来る作品だったということかな?
書きたいこともいっぱいあったし♪

>キトゥンの世界はおとぎチックだったのに比べこちらは現実的だったかも

実際に2人が身近に存在したら、幸せだろうなぁ〜
職場にいて欲しいのはブリー。
疲れた時、気分転換に一緒に遊びたいのはキトゥン(笑)
Posted by 哀生龍 at 2006年08月21日 20:35
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