2012年12月10日

砂漠でサーモン・フィッシング

Salmon Fishing in the Yemen

公開中なので控えめに。

漁業・農業省に勤務する水産学者のアルフレッド・ジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)の元に、投資コンサルタント会社のハリエット・チェトウォド=タルボット(エミリー・ブラント)から荒唐無稽な依頼が来た。
イエメンの大富豪シャイフ・ムハンマド(アマール・ワケド)が、イエメンでサーモン・フィッシングを紹介したいと言っているから、力を貸して欲しいと言うのだ。
鮭は海から川に遡上してくる回遊魚で、冷たい水の流れる川と餌になる虫とがいる環境を、熱く乾いた砂漠に整えられるはずが無い。 フレッドは力になれないと、メールできっぱり断った。
しかし、このプロジェクトは英国外務省の支持を受けているだけでなく、中東の関係が悪化している英国にとって明るいネタになるとして、首相広報担当官パトリシア・マクスウェル(クリスチャン・スコットー・トーマスの目も留まってしまったから、さぁ大変。
上司のバーナード・サグデン(コンリース・ヒル)から、プロジェクトの責任者になるか辞職するかどちらかを選べと、決断を迫られた
給料が2倍になるという点は魅力的だし、科学者としての興味も惹かれるが、どう考えても実現は無理なプロジェクトだ。
結局フレッドは、仕事を請けた。
直接会ったハリエットの説明によると、イエメンはフレッドが思っていたよりも、環境を整えられるかもしれない状況にあるようだ。
僅かながら可能性が見えてきて、フレッドはハリエットとのミーティングで思いついたまま適当な案を口にし、相当な費用と中国のダム技術者とのミーティングを要求した。
なんと、あっさり受け入れられてしまった
スコットランドの川辺のシャイフが所有する屋敷で彼と実際に会ってみると、金に飽かせて無理難題を押し付けるような富豪ではなく、神秘的な部分を持つ至って紳士的で、“イエメンで鮭釣り”の裏にもっと大きな目的を持つ現実的な人である事をフレッドは知ることとなった。
一方、フレッドは仕事と収入や後の年金が最大の関心ごとである妻メアリー(レイチェル・スターリング)とは、すれ違い気味で形だけの夫婦になりつつあった。
ハリエットの方は、付き合い始めてまだ3週間のロバート・メイヤーズ大尉が中東に派遣され、消息不明になるという悲劇に見舞われた。
そして、シャイフのイエメンの環境変革を良しとしない反対派が・・・
彼らの色々な思いを乗せたこのプロジェクトは、成功を収める事ができるのであろうか?

ロマン”が盛りだくさん!
出来もしない事をただただ“そうなったらいいなぁ~”と夢見るドリーマーじゃなくて、幸運にも富豪で自由になる大金があるから、“そうなったらいいなぁ~”を現実にするために僅かでも可能性があるのなら、金と想いを賭けてみるロマンチスト
その筆頭はシャイフだが、科学者として触発されて俄然やる気を出してしまうフレッドもまた同じ。
そしてそんな2人の情熱と人柄に惚れ込んで、素朴で口下手で政治的な駆け引きも下手なフレッドの代わりに上手に事を転がしてくれるのが、ハリエット。
単なる釣り好きの物好きが馬鹿な事に金を捨ててる、といった話ではなく、政治家や国に任せていたらいつ実現するか分からない“砂漠に水を、砂漠に緑を”を、フットワークの軽い個人の事業としてきっかけ作りをしようとしているところに、魅力を感じてしまう。
とにかくシャイフが魅力的なのだ!
神秘的な微笑みも、寛容・寛大な性格も、個人それぞれの信仰のあり方を尊重しつつも“信じる心は誰の中にもある”と確信を持っていることから生まれる余裕も、ただの成金の道楽とは違うとしっかり印象付けてくれる。
演じているアマール・ワケド自身も、きっと魅力的な人なんだろうと思わせてくれた。

それぞれが仕事を持ち、きちんとキャリアを積んでいる男女の、“夫婦”としてのすれ違いや、“夫婦”である理由や、“夫婦”だから夫婦を続けているといった状況。
対する、付き合い始めたばかりの恋人たちが、仕事で離れ離れになり、そして失ってしまったかもしれないと言うどっちつかずの状況に陥る。
軍人である事を承知で付き合ったのだから、いつかはそんな日が来るかもしれないと漠然と思ってはいただろうが、まさかそれが今日だとは・・・
そんな彼女を慰める、口下駄でジョークベタで空気を読むのが下手なが水産学者。
適度なラブロマンスの要素が、ドラマに色を添える。

コメディ担当は、首相広報官のパトリシア。
彼女の手にかかると、素人には想像もつかないちょっとした事が、首相や政治や国のいいアピール材料になるんだよね。
凄腕!
家に帰れば手のかかる思春期の子供たちの母!
母は強し?

ちょっと出来過ぎな部分もあるが、映画だからそれぐらいは許容範囲。
ユアンが演じるフレッドがスコットランド出身と言う設定も、スコットランドで鮭釣りをするシーンが見られたのも、嬉しくなった部分。
鮭って、フライ・フィッシングで釣るんだね。
あんなに二人が傍に寄った状態で、危なくないんだろうか? と素人の哀生龍はちょっと不安になってしまった。
アメリカ人キャストにするのなら、フレッドはスティーヴ・ザーンに是非!
キャラの持ち味も、フライ・フィッシングが得意なのも、ザーンにぴったりではないかと!

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posted by 哀生龍 at 06:24| Comment(0) | TrackBack(9) | | 更新情報をチェックする
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