2015年01月20日

ジャッジ 裁かれる判事

The Judge

公開中なので控えめに。

シカゴで高額の費用を取っているやり手弁護士のハンク・パーマー(ロバート・ダウニー・Jr.)は、母が亡くなったという知らせを受け、離婚の話し合いをしている妻リサ(サラ・ランカスター)と愛娘ローレン(エマ・トレンブレイ)は連れずに、1人で実家に帰った。
20年も絶縁状態だった父ジョセフ(ロバート・デュヴァル)は、地元インディアナ州カーリンヴィルで長きに亘って判事をしている。
再会の挨拶は、ぎこちなく素っ気無いものだった。
兄グレン(ヴィンセント・ドノフリオ)は地元で自動車修理工場を経営しながら、妻子を養っている。
知的障害のある弟デール(ジェレミー・ストロング)は、片時も8mmカメラを手放さない。
葬儀を無事に終えた翌日。
ジョセフは自分の車のフロント部分が壊れているのを見て、誰が勝手に乗ってぶつけたのかと憤慨した。
しかし、ジョセフ本人がコンビニに卵を買いに行った時に乗ったのが最後のはず。
それをハンクから指摘されて、更に怒りを募らせたジョセフは・・・
もうこんな家には二度と来るものかと捨て台詞を吐いたハンクだったが、結局家には帰れなくなった。
父の車には血痕があり、はねられて死亡した遺体も発見されたのだ。
ジョセフにははねたと言う記憶が無く、不幸な事故として簡単に片がつくはずだった。
ところが、被害者が、かつて判事と被告という立場でジョセフが2度裁いたことがある男だったことから、殺人事件として予備審問を受けることになったしまった。
更に悪いことに、息子ハンクを拒否して雇った地元の弁護士C・P・ケネディ(ダックス・シェパード)は経験不足で、経験豊富な強敵であるディッカム特別検察官(ビリー・ボブ・ソーントン)には全く歯が立たなかった。
その上、ジョセフには息子に隠していたことがあった。

ネタバレにならないように、できるだけザックリと・・・

判事は本当に人をはねたのか?
それが誰か承知の上で、故意にはねたのか?
本当に記憶が無いのか?
何故記憶が無いのか?
といった、サスペンスもある。

あまり協力的でない被告人である父を、衝突しながらも必死で助けようとする息子。
冷静に穴をついてくるディッカムとの、静かで激しい攻防。
息子であり弁護士でもあるハンクが知らなかった事実の発覚。
といった、スリリングな法廷劇でもある。

両親が離婚の危機にあることを知りつつ素直で優しい出来た娘と、駄目パパ。
羽を伸ばして若い子といちゃついちゃう駄目パパ。
地元で昔の彼女サマンサ(ヴェラ・ファーミガ)と再会し、再燃しそうな駄目パパ。
といった、ハンクと女性達のロマンチック・コメディの要素もある。

そして何より、父と息子達の物語
これがメイン!
昔ながらの頑固親父・雷親父は、判事という法のもとでも怖い存在。
野球に秀でていた長男と、おっとりとした優しく穏やかな三男に挟まれた、兄弟の中で一番の問題児が次男のハンク。
きっと緩衝材となってくれていたであろう母が亡くなり、歳をとってさらに頑固になった父とぶつかってばかりのハンク。
そんな父に認められたくて頑張ったのに・・・と学生時代のしこりがまだ残っているハンク。
大きな存在だった父の老いを目の当たりにしてしまったハンク。
兄弟の中でも、色々と胸につかえているものはある。
特にグレンとハンクの間には。

長年判事として地元の事件を裁いてきたジョセフに対して地元の人々は、好感を持っている人と反感を持っている人に大きく分かれるだろう。
独善的で傲慢なところがある地元の判事が起こした事件となれば、好奇の目も加わるはずだ。
父を助けるためにはあらゆる手段を使いたいハンクに対し、正々堂々としていたい父。
荒々しい言葉の応酬の向こう側にある父と息子の絆のような物が、“いかにも”ではあるがグッと来てしまうのだ。

blogram投票ボタン ← 宜しかったらクリックを! このブログの最近の傾向が分かる、かも?
posted by 哀生龍 at 06:19| Comment(2) | TrackBack(2) | | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
家族だからこそ分かりあえず、家族だからこそわだかまりが残る、そんな姿を描いた重厚なドラマでしたねぇ。
これまた映像特典の話になっちゃいますけど、キャストが勢揃いして演技法やアプローチ法を語り合う座談会がすっごく面白かったですよ。実力者が勢揃いしてるからこそ成立する、なんとも濃厚な座談会で。
Posted by たお at 2016年02月16日 16:48
■たおさん
>これまた映像特典の話になっちゃいますけど
以前は映画館で見た作品も、特典目当てに買ってしまうことが多かったのですが、狭い我が家にはもう置き場所が・・・(苦笑)
最近はレンタルにも特典が多く入っているようなので、たまには見た作品もレンタルしなければなりませんね!

>実力者が勢揃いしてるからこそ成立する、なんとも濃厚な座談会で。
アプローチ方法がそれぞれ違っていそうなメンバーなので、興味津々です。
Posted by 哀生龍 at 2016年02月22日 06:10
コメントを書く
コチラをクリックしてください
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/412637919

この記事へのトラックバック

「ジャッジ 裁かれる判事」
Excerpt: 傑作。丁寧に作られている。笑いもあるし、泣きもある。幼かった頃の自分、今の自分、これからの自分、全てに様々に思いを馳せる事ができる。ぐるぐると色んな思いが頭の中を横切る。そして私は心底ロバート・ダウニ..
Weblog: ここなつ映画レビュー
Tracked: 2015-02-05 12:51

ジャッジ 裁かれる判事 (The Judge)
Excerpt: 監督 デヴィッド・ドブキン 主演 ロバート・ダウニー・Jr 2014年 アメリカ映画 141分 ドラマ 採点★★★★ “家族だから何でも許せる”と思われがちですけど、逆に家族だから許せない問題や残り..
Weblog: Subterranean サブタレイニアン
Tracked: 2016-02-16 16:40