2016年01月12日

クリムゾン・ピーク

Crimson Peak

【ネタバレしているかもしれないので注意】

ホラーは大の苦手で、そのタイプによっては嫌いですらあるのだが、ギレルモ・デル・トロ監督のダーク・ファンタジー系のホラーは、怖い怖いと思いながらも映画館で見たくなるタイプ。
絶対に次の瞬間にゴーストが現れると分かっていながらもドキッとしてしまうほど、哀生龍は本当にホラーが苦手なのだが、とにかく色使いと造形・衣装が美しく、哀愁漂う独特の雰囲気に浸れるところがギレルモ・デル・トロ監督作品の魅力。
タイトルになっているクリムゾン(血のような深紅)と白い肌と黒に見間違えるほどの深い落ち着いた緑色、そして没落貴族姉弟の佇まいと朽ち果てかけているのに貴族然とした館の威圧感。
そこに加わるゴーストを演じているのがお馴染みダグ・ジョーンズなのだから、言うことなし!

20世紀初頭、母の死後、母のゴーストを見るようになった作家志望のイーディス(ミア・ワシコウスカ)は、実業家である父に粘土掘削機への投資話を持って来た(というより資金援助を求めに来た)、貴族の肩書きはあるが資産がそこをつきかけているシャープ姉弟(ジェシカ・チャステイン、トム・ヒドルストン)と知り合う。
そこからイーディスの人生は大きく動き始める。
父の突然の死、トーマス・シャープとの急な結婚、朽ち果てかけている彼の館での新しい暮らし、影のようによぎる不吉な気配。

ゴーストも怖いが、やっぱり怖いのは生身の人間だね。
そして、激しい感情の根底にあるのは、恨み辛みではなく愛情。
愛情こそが人を突き動かす。
ホラーなのだが、ロマンチックなのだ。

イーディスの幼馴染で医師のアラン(チャーリー・ハナム)がもう少しインパクトのある(強い存在感を示す)キャラだったらば、もっと物語に動きが出てくるのだろうが、そうじゃない所がいいのだ。
じっくりとシャープ家の敷地“ALLERDALE HALL”の世界に浸ることが出来るから。
あの敷地と館そのものも、重要なキャラクターだよね。
敷地の門をくぐることで、あっちの世界とこっちの世界を行き来するような感覚があって、トーマスとアランが住む世界をつなぐのはその門だけのような印象を与える。
イーディスはどちらの世界を選ぶのか・・・

トム・ヒドルストンは、黒髪に深い緑色の衣装。
そして弟。
映画を見ている時は特に意識しなかったが、映画の世界から解放されると、途端に某アメコミ作品の“ロキ”に似ていると言うか、そういう色合いや衣装がとても似合うんだなと、思わざるを得なかった。
女性を支配するより支配される方が似合っていると感じてしまったのは、「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」の時の印象と同じ。
2人の女性イーディスと姉ルシールがとても現実的で芯の強さ・生に対する強さを感じさせるのに対して、生命力の弱さ脆さを感じさせ、事業・発明に対してどこか夢見がちな青年といった役どころは、トム・ヒドルストンにピッタリだったよ。

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2015年11月09日

クライムスピード

American Heist
CRIME SPEED


爆弾製造の罪で半年服役したジェームズ(ヘイデン・クリステンセン)は、自動車修理工として真面目に働いていた。
自分の店を持ちたいと思っているが、銀行は融資をしてくれない。
そんなジェームズの前に、10年の刑期を終えたフランキー(エイドリアン・ブロディ)が現れた。
不動産の仕事をするという兄の言葉を信じ、兄と兄の仲間レイ(トリー・キトルズ)とシュガー(アリウネ・“エイコン”・チアム)の3人を車に乗せたジェームズは・・・
犯罪には関わりたくなかったジェームズだったが、兄たちに騙され、銀行強盗に加担することになってしまう。
折角、再会をきっかけに元恋人エミリー(ジョーダナ・ブリュースター)の縒りを戻りたというのに、ジェームズが強盗に参加しなければ彼女に危害が及ぶことなってしまうからだ。
そして窮地に陥った兄弟は・・・

公開中なので控えめに。

元となった「セントルイス銀行強盗」も見ていないし、その映画の元になった実際の事件も知らない。
ということで、何の予備知識もなく、兄弟物だから興味が沸いて見てみた。

エイドリアン・ブロディとヘイデン・クリステンセンが兄弟?
見た目は全然似ていないが、暗さと哀愁が漂うところが似ているような(笑)
特にエイドリアン・ブロディの容姿は、眉をハの字にしてめそめそする兄、お気楽にへらへらする兄、極々たまに引き締まった表情を見せる兄、といったキャラの“”になっていた。

その兄弟を演じる俳優の雰囲気どおり、折角刑期を終えて娑婆に出てきたというのに再び転落していく兄弟の、哀愁漂う物語
特に弟の方は、半年の服役もそもそもは兄が原因。
関わっちゃ駄目だと分かっていても、弟にとって兄は、腐っても兄なんだよねぇ・・・

正直、作品全体のリズムが哀生龍にはあわなくて、切れが悪いというか単調に感じてしまった。

ところで、ネットで非常口の誘導灯と天井のオレンジの照明が本編上映中もずっとついたままだと書かれていた劇場は、予想以上に明るく感じた。
それも、鑑賞中に集中力を欠いた要因になったのかもしれない。

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2015年10月28日

海賊じいちゃんの贈りもの

What We Did on Our Holiday

別居中で修復の見込みの薄い夫婦ダグ・マクラウド(デイヴィッド・テナント)とアビー(ロザムンド・パイク)は、ダグの父コーディ(ビリー・コノリー)の75歳の誕生日を祝うため、3人の子供連れてロンドンからスコットランドまで車で向かう。
9歳の長女ロッティ(エミリア・ジョーンズ)は、別居中であることを隠して仲良い家族の振りを求める両親の発言をいちいちノートにメモする、繊細でしっかりしたお姉ちゃん。
6歳の長男ミッキー(ボビー・スモールブリッジ)は、ヴァイキングに憧れオーディンを信奉するやんちゃ盛り。
4歳の末っ子ジェス(ハリエット・ターンブル)は、拾ったいくつもの石に名前をつけて大切にしている、ちょっと個性的なおしゃまさん。
彼らを待ち受けるダグの兄ギャヴィン(ベン・ミラー)は世間体を気にする成金で、病気を患っている父の誕生日会を豪華で立派なものにするために気を張っているが、その妻マーガレットは情緒不安定だし、息子のケネス(ルイス・デイヴィー)は下手なヴァイオリンを演奏するしで、どうもギャヴィン一人が空回りしているようだった。
当のゴーディは、いざこざの絶えない両親や伯父たちに辟易している孫たちを連れて、近くの浜辺にドライブへ。
“自分はヴァイキングの子孫”だと話して孫たちを喜ばせるゴーディは、本音と空想を交えた楽しい話やおふざけをして孫たちと幸せなひと時を過ごしていたのだが・・・

公開中なので控えめに。
感想を書くのをサボっていた作品(10/11分)

スコットランド出身の俳優で、スタンダップ・コメディアンであり歌手でもあるビリー・コノリー目当てに見に行った。
期待以上の映画だった♪

大人気ない大人たち。
純粋無垢でありながら大人びた部分もある子供たち。
飄々としたおじいちゃん。
シニカルな笑いのそこかしこに、“しんみり”や“ほっこり”が見え隠れしていた。

本気で真剣におじいちゃんのために純粋無垢な子供たちがやったことだからこそ、大人たちを驚愕させ慌てふためかせ困惑させる。
大人の都合や大人の嘘を、大人が思っている以上に良く見聞きし感じ取っている子供たちだが、だからといって、大人の都合に合わせてはくれない。
子供は真っ直ぐで正義感が強いのだから。

小生意気な子供たちが大暴れするコメディも嫌いじゃないが、この作品のような、素直で素朴な部分をまだたっぷり持ち合わせている子供たちが巻き起こす出来事をくすっと笑うコメディのほうが好きかも知れない。

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posted by 哀生龍 at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2015年09月18日

カリフォルニア・ダウン

San Andreas
California Down


公開中なので控えめに。

LAのレスキュー隊のレイ・ゲインズ(ドウェイン・ジョンソン)は、救助ヘリのパイロットであり、その豊富な経験と信頼感でチームを引っ張っていた。
そんなレイに、別居中の妻エマ(カーラ・グギーノ)から離婚届が届いた。
その上、現在の恋人ダニエル・リディック(ヨアン・グリフィズ)と同居しようとしていることを知った。
本当は娘ブレイク(アレクサンドラ・ダダリオ)を送って行くはずだったレイだが、また緊急招集がかかり、ブレイクはダニエルに送ってもらうことに。
ネバダ州で起きた巨大な地震は、それで終わりではなかった。
カリフォルニア州を縦断するサンアンドレアス断層に沿って、次々と地震が発生。
地震学者ローレンス教授(ポール・ジアマッティ)によると、更に大きな地震が起きることが予測された。
自身の被害地に向かう前にヘリの修理をするために飛んでいたレイに、エマから助けを求める電話が。
エマは、高層ビルの屋上に1人取り残されていた。
一方ブレイクは、ダニエルの車の中に閉じ込められていた。
助けてくれたのは、ダニエルの会社の面接を受けに来ていたイギリス人のベン(ヒューゴ・ジョンストーン=バート)と、歳の離れた弟オリー(アート・パーキンソン)。
3人はレイに助けてもらうため、ある高層ビルを目指すのだが・・・

哀生龍は、ディザスター系は好きでは無いので、あまり見ない。
人間のエゴが如実に現れるから、見ていて不愉快になる。
逆に自己犠牲の精神を発揮する善人を見ても、鼻白んでしまう。
どうしても素直に見ることが出来ないんだよね。
今回は、ヨアン・グリフィズが出ているから見ることにしたのだが、役柄から推して知るべし。
予想通りの役回りだった(苦笑)
それは他のキャラも同じ。
第一印象とキャストと役柄から、生き残る人・死んでしまう人が簡単に分かってしまった。
驚きの捻りとかどんでん返しとかは無い。

映画は映画と割り切って見られるほうだから、巨大地震と津波で街が崩壊し人々は巻き込まれていく様を見ても、“あの日”を思い出して息苦しくなったり恐怖を覚えたりすることはなかった。
2Dで見たから、なおさらだったのかもしれない。
もちろん、映像そのものは、凄いなぁ・・・・と思ったが。

災害が起きるなんて信じたくない。
自分がそれに巻き込まれるなんて、想像もしたくない。
避難勧告が出ても、どこか他人事に感じてしまう。
大災害を予見しても、100%の確率では無いから、下手にそれを広めてしまうとパニックを引き起こして人的災害になりかねないため、学者も政府も二の足を踏むことがある。
だがこの映画のメインキャラたちは、生き延びるためにできる限りのことをしていた
ローレンス教授の人柄が、とても良かった。
彼の存在が、哀生龍にとって救いだった。

一番はらはらしたのは、冒頭のレイ・ゲインズのチームによる救出劇。
このシーンで、主人公の人柄、能力、等をまとめて紹介していた。
レスキュー隊の仕事を最優先にして、家庭を顧みないような男だったのに・・・
何で、レスキュー隊のヘリを自分の家族救出のためだけに使うんだ?
隊には許可を得たようだが、彼がヘリを修理に出し、そのまま被災地て隊を率いて救出活動をしていたら、どれほど多くの人を救えたんだろうか? と考えずにはいられなかった。
アメリカでは、何よりも家族を優先するのが美徳なのかもしれない。
が、日本人、少なくとも哀生龍の感覚だと、公共のための仕事に従事している人が職務を放棄して家族を救う行動に出たら、バッシング物だと感じてしまう。
誰だって、自分の身と自分の大切な人を最優先で守りたいのは、頭では分かっているけれど、感情的にはどうしてもね・・・
だって、映画の主役のヒーローだよ?
何で家庭・家族の話しになっちゃったんだ?
途中で他人の車を盗んだうえ、その車の中では離婚直前の夫婦が、延々と夫婦の会話を・・・
娘の方も、レスキュー隊の車(あれは消防車だった?)の備品を勝手に持ち去るし。

申し訳ないけれど、嫌な部分にばかり目が行ってしまった。
やっぱり、ディザスター系は、哀生龍には合わなかった。

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posted by 哀生龍 at 21:57| Comment(2) | TrackBack(1) | | 更新情報をチェックする

2015年09月17日

キングスマン

Kingsman: The Secret Service

公開中なので控えめに。

恵まれた身体能力がありながら、定職にも就かず、盗んだ車で暴走して逮捕されたゲイリー・“エグジー”・アンウィン(タロン・エガートン)をスカウトしたのは、高級スーツ店“キングスマン”のハリー・ハート(コリン・ファース)だった。
“キングスマン”の本当の顔は、アーサー(マイケル・ケイン)を中心とする何処の政府にも属さない国際的な諜報機関
ハリー自身も、ガラハッドというコードネームを持つスパイだ。
“キングスマン”は、何者かに殺害されたランスロット(ジャック・ダヴェンポート)の代わりに、スカウトした新人の中から新たなランスロットを選出しようとしていたのだ。
過酷で熾烈な選考試験を受けることになったエグジーのライバルたちは、母子家庭で貧しく大学を中退している彼とは違い、みな良い家柄・高学歴のエリートだったが・・・
一方、ハリーは過激な環境保護活動家で大富豪のアメリカ人リッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)と、彼の側近の義足の美女ガゼル(ソフィア・ブテラ)に誘拐されたものの、何故か無事に解放されているアーノルド教授(マーク・ハミル)に接触していた。
しかし、それが原因で、ハリーは瀕死の重態を負い意識が戻らず・・・
ヴァレンタインの周到で恐ろしい計画を、“キングスマン”は阻止することが出来るのであろうか?

スパイ物だし、何も情報をいれずに見たほうが奇想天外な演出を楽しめると思うから、可能な限り内容には触れずに書きたい。

監督マシュー・ヴォーン、原作マーク・ミラー、ブリティッシュスーツがいやでも良く似合う渋い英国紳士たち。
楽しいスパイ映画にならないはずが無い! と期待してしまう。
見る前の期待が大きいと、後でがっかりすることになりがちだが、この作品は期待以上に最初から最後まで楽しめた!
ちょっと癖があり、イギリス人のシニカルなお笑いネタと下品さがかなり強烈なところもあるから、合わない人もいるとは思う。
紳士に対比させるような、ヴァレンタインの軽くてバカっぽい外観にも、皮肉を感じる。
地球環境を劇的に改善させるには、諸悪の根源を排除するのが手っ取り早い。 と考えることは誰でもするだろうが、ヴァレンタインのような手段をとる過激な変人はそうそういないだろう。
スカウトされたキングスマン候補生達の訓練・試験の方法も、勝ち残ることを要求しつつもチームワークも求め、究極の選択を迫るような局面が何度も・・・
非情なだけでは、キングスマンの一員にはなれないんだよね。

新人君も確かに活躍していたのだ、やはりこの映画の見所は、コリン・ファースと“キングスマン”全体の秘書的存在で新人選抜試験も担当していたマーリン役のマーク・ストロング。
ビシッと7:3に分けた髪を乱してスタイリッシュな暴れっぷりを見せてくれるコリン・ファース!(もちろんスタント・ダブルはいたが)
いつも苦虫を噛み潰したような表情で、ピンと背筋を伸ばして、近寄りがたい雰囲気を出しているのに、実は物凄く情に厚くて細部にまで目を配っているような男。
彼に比べると、柔らかい印象だったマーク・ストロング。
彼も役柄によっては、氷のように冷たい男をビシッと決めてくれるのだが、今回は話しかけやすい雰囲気。
マーリンというだけあって、見掛け以上にスキルが高くて頼りになる
この2人がいてくれれば怖いもの無し!?

007が女王様のスパイならば、こちらはアーサー王の円卓の騎士たち。
ガジェットは007よりもウィットに飛んでいて面白味があるし、女性キャラは色気よりもやんちゃ振りを楽しめる。
どちらも魅力的なスパイものだが、こっちの方が自由度が高い分、やりたい放題?
ヤバさとお下劣さと非道徳さがたまらない(笑)

知っていて当たり前、持っていて当たり前のものが、恐ろしい犯罪に利用される。
注意して使わなければ危険があると分かっていても、多くの人はあまり気にせず使っているような物。
それが無いと日常生活に支障をきたすぐらい、人々の生活に浸透しているそれを、「使わなければ安心・安全」と言われても・・・
辛辣な皮肉だね。

「ブローグではなくオックスフォード」という、ある場面で使う合言葉。
ファッションの用語や名前に疎い哀生龍には、それが何か映像で見るまで全く分からなかった。
詳しい人が聞けば、一発で分かることなんだろう。
もしかして、英国紳士なら知っていて当たり前?
エリート意識の高い“上流階級”の新人たちと、貧しく暴力と犯罪が日常的な生活をしてきたエグジーの対比にも、英国らしさを感じてしまう。
そんなエグジーが、スーツをビシッと決めて戦う日が・・・

英国を舞台に、英国人スパイが活躍するからこそ、この作品は楽しい! 面白い!

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2015年07月03日

攻殻機動隊 新劇場版

GHOST IN THE SHELL

公開中なので控えめに。

西暦2029年3月、政府要人らを人質にした国会議事堂内で籠城する事件が起きる。
公安9課の部長である荒巻大輔(声:塾一久)は、200人規模の警官隊で現場を包囲する。
一方、藤本彰内閣総理大臣(声:近藤浩徳)の補佐官、藤本修(声:NAOTO)から直接出動命令を受けた草薙素子少佐(声:坂本真綾)は、自らが選んだバトー(声:松田健一郎)、トグサ(声:新垣樽助)、イシカワ(声:咲野俊介)、サイトー(声:中國卓郎)、パズ(声:上田燿司)、ボーマ(声:中井和哉)、そしてAI搭載の兵站輸送車両(物流搬送機械/ロジスティクス・コンベイヤー・マシン)のロジコマ(声:沢城みゆき)をメンバーとした自分の独立部隊を動かし、議事堂内に突入する。
しかし、ゴーストハックされた人質数名が犯人たちを殺害してしまった。
更には、藤本総理大臣が爆弾によって暗殺されてしまう。
草薙のかつての上官、501機関のクルツ中佐(声:浅野まゆみ)もまた、爆発に巻き込まれて死亡してしまうのだった。
捜査を進める中で浮かび上がったのは、義体の技術的障害「デッドエンド」とそれをめぐる政治的取引。
そこには、草薙自身の出生の秘密も・・・

初日に見たのに、なかなかブログに書けなかった。

『攻殻機動隊』を冠する4つの作品(士郎正宗の原作漫画、押井守の映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、神山健治のTVシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』、黄瀬和哉の短編映画・TVシリーズ『攻殻機動隊ARISE』)に連なる、「攻殻機動隊」25周年記念作品として制作された作品。
簡単に言ってしまうと、全身義体の超ウィザード級ハッカーである草薙素子とその一味(笑)が、近未来で暴れまわる小気味良い物語。
ジャンルは、SF&アクション&サスペンス&ロマンス&コメディ!!
哀生龍は原作漫画を知ったのをきっかけに作られた順番にリアルタイムで見て来たのだが、それぞれの作品の中での少佐の描かれ方・仲間との関係の描かれ方は、描いている物語の時期が前後していることもあり、作品毎に違いがあって面白い
個人的にはバトーが一番好きなので、バトーと少佐バトーとフチコマ・タチコマ・ロジコマの描かれ方につい目が行ってしまう。
少佐の色恋話(?)に関しては、原作漫画が一番好きだな。 ほぼレズプレイだけど(笑)
一番シリアスな印象を受けるのは押井守の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で、初映像化ということで光学迷彩の表現等色々な部分でインパクトも非常に大きかった!

で、今回の映画は、『攻殻機動隊ARISE』に続くエピソード。
攻殻機動隊ARISE:短編映画・全4作品。 2015年4月にテレビシリーズ版『攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE』として順番を変えて放送(前後編形式で8話)。更に新劇場版につながる完全新作エピソード(1エピソード/前後編2話)が付け加えられた。
“新劇場版”とは言っても物語がTVシリーズの延長線上にあるせいか、TVのロングバージョン(人気TVドラマの劇場版と同じレベル)のように感じられてしまったのは、少々残念。
映像もストーリーもキャラもぜんぜん悪くは無いのに、そう感じちゃったことが残念なんだよね。

キーワード・キーパーソンは、電脳ウィルス「ファイヤー・スターター」、擬似記憶、義体開発に関する「デッドエンド」、パイロマニア、ゴースト、名前は書けないあの人(笑)、などなど。
ツムギ(声:野島健児)も、哀生龍的にはキーパーソンかな?
“だから少佐とツムギはこんな距離感なんだな”と納得したよ。
ついでに覚書。 パズの偽IDに書かれていた名前は、漢字で派頭(爆)

改めて、攻殻機動隊シリーズは、アニメももちろん好きだが、やっぱり士郎正宗の原作漫画の新作が読みたいと思ったぞ!!!
漫画だけど、文字の書き込み(欄外も含む)が非常に多いから、読みでもあるし♪
バトーが主役の漫画『攻殻機動隊ARISE 眠らない眼の男 Sleepless Eye』も、士郎正宗の作品だったら読むんだが・・・

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posted by 哀生龍 at 06:19| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2015年06月29日

グローリー/明日への行進

Selma

公開中なので控えめに。

マーティン・ルーサー・キング・Jr.(デイヴィッド・オイェロウォ)はノーベル平和賞を受賞したが、彼が目指す本当の意味でのアメリカ国民の平等は、まだ実現していなかった。
公民権法でアメリカ国民に対する人種差別は廃止されたものの、選挙権を得るための有権者登録をしようと黒人が書類を提出しても、あれこれ理由をつけては受理されないのが現状。
キング牧師は、選挙権を得ることがどれほど重要なことなのかをジョンソン大統領(トム・ウィルキンソン)に熱意を持って説明し、黒人の選挙権を保証する法律を求めるが、大統領はあれこれ理由をつけて約束を拒んだ。
キング牧師は志を同じくする聖職者らと共に、南部のアラバマ州セルマから州都モンゴメリーまで、およそ80kmを更新することを発表した。
しかし人種隔離政策を押し通すウォレス州知事(ティム・ロス)は、500人を超える黒人たちの更新を阻止するため・・・
一方、キング牧師の妻コレッタ(カーメン・イジョゴ)に対しても、圧力がかけられていた。

一週間も感想を書くのを放置してしまった(汗)
こういう事実を元にした、実在の人物を描いた作品は、好んでは見ない。
“映画”としては、あまり興味を引かれないというか・・・

キング牧師のことは、名前と、特に有名な事柄しか知らないため、まず、彼が映画の中では“キング牧師”と呼ばれないことに驚いた。
博士号を取得していることから、“Dr.キング”と呼ばれていた。
スピーチをしている時の堂々として自信に満ち溢れた様子と、自分の活動で傷つく人々の事を悔やんだり、本当にこの方法が正しいのかと思い悩んだりする、弱々しく苦悩に満ちた様子とのギャップにも驚いた。
ご本人のことは、スピーチの映像程度しか見たことがなかったものだから。

学生ら若者の活動家との距離感、一般の黒人参加者にとっての“非暴力”の意味と現実、白人権力者だけでなく一般の白人たちにとっての“当たり前”を変えることの難しさ、選挙権を持つことの意味・・・
知っているけれど、実感として知っているわけでは無いこれらのことを、改めて映画の中で知らされて、哀生龍は少々心苦しく居心地の悪さを感じながら見ていた。
それにしても、FBIって・・・

見た目的は、もちろんキャスト陣。
アメリカの大統領、アメリカの州知事、そしてキング牧師とその妻。
主要キャストがみんなイギリス人だったことに驚いた!
お目当ては、州知事のティム・ロス、大統領のトム・ウィルキンソン、そして大統領補佐官(?)のジョヴァンニ・リビシ。
ティム・ロスのふてぶてしさはいつも通りなのだが、いつもの歯切れのいい早口な喋りの代わりに、ねろねろっとした口調だったのが、凄く耳に残った。
そもそも英語が分からない哀生龍には何処訛なのか判別がつくはずもないのだが、役柄的におそらく南部訛のアメリカ英語なのだろう。

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ラベル:ドラマ
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2015年06月08日

靴職人と魔法のミシン

The Cobbler

公開中なので控えめに。

冴えない中年男のマックス・シムキン(アダム・サンドラー)は、十数年前に突然失踪した父アブラハム(ダスティン・ホフマン)の代わりに、一人で代々続く家業の靴の修理屋をやっていた。
修理の腕は良いが、恋人も遊び友達もいず、話す相手といえば隣の理髪店の店主ジミー(スティーヴ・ブシェミ)と母サラ(リン・コーエン)ぐらいという代わり映えのしない毎日
ある日、ストリートギャングのレオン(クリフ・“メソッド・マン”・スミス)から、夜までに靴の修理を頼まれた。
ところが、修理の途中でミシンが壊れてしまったため、マックスは地下の倉庫の奥に寝ていた先祖伝来の古いミシンを使って、何とか靴の修理を間に合わせた。
靴のサイズが自分と同じ事から、試し履きしたところ・・・・
その古いミシンで修理をした靴を履くと、持ち主の姿になることを知ったマックスは、色々な靴を履いて街に繰り出し、自分と違った人物になり切ってひと時を楽しんだ。
その上、母の望みをかなえるために、父の靴を履いて・・・
親孝行のつもりだったのに、思わぬ結果を招いて落ち込んでしまうマックス。
「孝行息子だよ」とジミーに励まされても、自分の不甲斐無さに沈むばかり。
靴を取りに来たレオンの侮辱的な言葉にが、そんな気落ちしたマックスに火をつけた
レオンに成り済ましたマックスは、とんでもない事態に陥る。
その上、自分の店がある一帯を地上げしようとしているグリーナウォルト(エレン・バーキン)の、冷酷な計画を知ってしまう。
真面目だが消極的でうだつのあがらないマックスは、この事態に奮起した

ハートウォーミング・コメディに、ちょっとクライムサスペンスとファンタジーの要素を加えたような作品。 かな?
アダム・サンドラー自身の作品じゃないから、下品でもなく、幼稚でもなく、笑いも微笑ましいレベルで、それ程荒唐無稽でもない。
そのため、全体の印象は穏やかで安心して見ていられるのだが、その分パンチに欠ける。
アダム・サンドラーとスティーヴ・ブシェミとダスティン・ホフマンとエレン・バーキンだから、もっとガツンと来るのを期待してしまったんだよね。
その一方で、このマックスというキャラは、アダム・サンドラーの得意なキャラの1つ“冴えないが人好きのする男”そのもので、アダム・サンドラーの魅力を楽しむことも出来た。
それに、ユダヤ人って設定だしね。

“他の人の靴を履いてみる”“他人の靴を履いて歩いてみる”という表現は、“他の人の立場になって考える”という意味のようだ。
そのままの事を具現化した物語だから、「地上げ」「ストリートギャング」といった要素を少し変えたら、子供向けの上質なファンタジーになりそう。
見返りを求めない優しさからの親切には、天使から素敵な贈り物が来るし(笑)

金を持っているストリートギャングですら、靴を修理する!
正直、それに驚いた。
駄目になったらすぐに買い換えそうな男なのに。
気に入った靴は、同じデザインを何足も買っていそうな男なのに。
そんなに靴底を張り替えるほど、ニューヨーカーは良く歩く人々なのだろうか?
物持ちがいいのだろうか?
ゴム底じゃなくて、革底の靴を日常的に履いている人は、あの店の一帯にはどの程度いるんだろうか?

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2015年05月26日

殺し屋チャーリーと6人の悪党

Kill Me Three Times

公開中なので控えめに。

海岸沿いの街イーグルズ・ネストに不似合いの、黒尽くめの服を着た男が1人の女を監視していた。
男の名は、チャーリー・ウルフ(サイモン・ペッグ)。 プロの殺し屋だ。
そして、殺すように依頼を受けた女の名はアリス(アリシー・プラガ)。
夫ジャック(カラン・マルヴェイ)が経営するバーで働いている。
そのアリスが急いで向かった先は、友人夫婦、ネイサン(サリヴァン・ステイプルトン)とルーシー(テリーサ・パーマー)の歯医者。
実はこの夫婦もアリス殺害を計画していた。
ギャンブル好きのネイサンの膨れ上がった借金を帳消しにするためだ。
それを知った警官のブルース(ブライアン・ブラウン)が取った行動は・・・・
一方、自分の命が狙われているとは思いもしないアリスは、バーの売上金を奪って不倫相手と駆け落ちしようと考えていた。
ジャックは妻アリスがガソリンスタンドのディラン(ルーク・ヘムズワース)と浮気していることに、実は気付いていた。

<カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2015>にて上映。
お目当てはサイモン・ペッグとヘムズワース3兄弟の長男ルーク。
ルークの芋っぽさに、何となく“見てあげなきゃ”という気にさせられる(笑)

舞台はオーストラリア。
夫婦・友人の間での裏切りや殺し合いなのに、じめじめどろどろしたところが無い。
明るい風景や逞しさや抜けているところが、カラッと見せてくれるのだろう。
プロの殺し屋のはずなのに、手際が良いようには見えないし、銃の腕も良いようには思えない。
そんなチャーリーのターゲットは、妙にタフなアリス。
この二人だけでも十分に笑える。
善人が一人もいないところも笑える。
極悪人もいないけれど。
これ以上はネタバレになりそうだから、書かないで置こう。

一般公開の予定は無いようだ。
セル&レンタルDVDになることを期待しよう。

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2015年02月24日

君が生きた証

Rudderless

公開中なので控えめに。

湖に錨泊したボートで暮らすサム(ビリー・クラダップ)は、塗装業の仕事仲間に誘われていったトリル(ウィリアム・H・メイシー)の小さなライブバーで、週末のライブに飛び入り参加できると知った。
アコースティックギター1本で歌ったサムに声をかけたのは、親子ほど歳の離れたクエンティン(アントン・イェルチン)だった。
サムの曲が気に入った、コーラスをつけるともっといいと思う、絶対に他にも曲を書いているはず、としつこく食い下がって、気乗りのしなかったサムの首を縦に振らせることに成功したクエンティンは、ドラマーの友人エイキン(ライアン・ディーン)も加えてバンドを結成
更には、いつかは手に入れたいギターが置いてあるデル(ローレンス・フィッシュバーン)の楽器店にサムを連れて行き、偶然を装ってベーシストのウィリー(ベン・クウェラー)引き合わせた。
『ラダーレス』というバンド名でトリルのライブバーに出演する彼らは、少しずつサムが提供する曲を加えてレパートリーを増やす。
人気も出て、ついにはフルセット演奏するレギュラーの座も手に入れた。
仕事には遅刻するし怠けるし飲んだくれるし・・
そんな自堕落な暮らし振りだったサムは、若い3人とのバンド活動をする内に生き生きとしていった。
しかし、地元のロックフェスに出場してメジャーデビューを! と盛り上がるメンバーたちに、サムは人前では演奏しないと言い出した。
人に聞かせる曲じゃない。
人前で演奏して喝采を受けてはいけない曲だ。
クエンティンたちには明かしていなかったが、サムが提供した曲は、すべて2年前に大学で起きた銃乱射事件で死んだ息子が作ったものだった。
息子が遺した曲を聞き演奏することで、サムは初めて息子を知り理解することが出来るようになってきたと感じていた。

ウィリアム・H・メイシーの初監督作品。
彼に対するイメージを裏切らない、穏やかなのに心揺さぶられる作品だった。
それは哀生龍が“親”だからかもしれない。
大学生が見たら、独身が見たら、子供のいない夫婦が見たら・・・
感じ方や受けるものは人それぞれだと思うが、何かしら得る物がある作品だと思う。
音楽映画としても、哀生龍の好みに合う心地よい曲ばかりで、ライブシーンも楽しめた。

ある日突然子供を亡くしたら。
それも、銃乱射事件というショッキングな出来事で。
銃社会のアメリカでは日本とは比較にならないほど銃が絡む事件は多いが、加害者の被害者も同じ学校の生徒という事件は、本当にショックを受けるものだ。
マスコミや知識人は、すぐに原因を見つけて責めたがる。
科学的な根拠もなく、あのTVが映画がゲームが原因だ! 親兄弟が原因だ! 学校が原因だ!
それに乗せられて、世間も知った風な口調で非難する。
加害者・被害者のプライベートな部分を、根掘り葉掘り調べ上げて報道するマスコミ。
「今のお気持ちは?」とマイクとカメラを持って遺族や加害者の親に詰め寄るマスコミ。
事件その物だけでなく、マスコミや世間によって攻撃され二重に被害者となってしまう。
この作品は、このような事件とその後を、少し角度を変えたところから切り込んで描き出している。

重いだけではなくて、気持ちが軽くなるようなコミカルな部分もある。
そんなシーンで、ローレンス・フィッシュバーンが凄くいい味を出していた。

サムと、離婚後再婚した元妻エミリー(フェリシティ・ハフマン)。
事件との向き合い方も息子を亡くした傷の癒し方も、現実との向き合い方も、夫婦とはいっても個々に違う。
エミリーは、サムは逃げた・逃げていると責めた。
逃げていたサムに、現実を受け止め明日に顔を向け歩き出す勇気ときっかけをくれたのは、息子が残したデモCDと歌詞が書かれたノートだった。
最初は、家を売って引っ越すと言う妻に押し付けられたと、言わんばかりのサムだったが。

演奏シーンが“演奏している振り・歌っている振り”ではなく、“ラダーレス”のメンバーが本当に演奏しているのが嬉しい。
2人は音楽が出来る(やっている)俳優で、2人はミージシャンが本業。
おっさんと3人の若者という組み合わせだが、不思議としっくり来ていて一体感があった。

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2014年12月30日

毛皮のヴィーナス

La Vénus à la fourrure
Venus in Fur


公開中なので控えめに。

トマ・ノヴァチェク(マチュー・アマルリック)は、マゾッホの小説「毛皮を着たヴィーナス」を自身の手で脚色・演出する舞台のオーディションを行った。
しかし、主役のワンダのイメージとは程遠いガキみたいな喋り方をする女優ばかりだった。
関係者はすでに帰り、トマ自身も帰ろうとしていた矢先、1人の女優(エマニュエル・セニエ)が遅れてやってきた。
下品な口調で雨に降られたことを愚痴る彼女は主人公と同じワンダという名前で、SM作品だと考えて犬の首輪とレザーのボンデージを着ていた。
トマが疲労感を滲ませ苛立ちながら、すでにオーディションは終わっていて関係者も帰っていることを伝えても、はっきりと「タイプが違う」と断っても、ワンダは気にせず折角来たんだからオーディションをやらせてくれと食い下がる。
渋々トマは、ワンダを舞台に上げた。
3ページ分だけ演じさせ、さっさと終わらせてしまおうと考えたのだ。
ところが、小説が出版された時代のイメージに合う衣装を着て舞台に上がったワンダは、ワンダ・フォン・ドゥナエフ夫人の台詞を喋りだした途端、雰囲気が一変した
相手役セヴェリン・フォン・クシェムスキー博士の台詞をトマが言うことになったのだが、彼自身も次第に熱が入っていく。
下品で無教養に思えたワンダは、深く役を理解し、知識もあることが次第に分かってくる。
一方で、トマが美しい愛の物語だと考えている「毛皮を着たヴィーナス」を、彼女は女性差別、性差別のポルノだと非難する。
3ページが終わっても、トマはオーディションを終わらせるどころか、更に続けることを提案
トマの婚約者から何度も電話が入るが、それでも彼はオーディションを続ける。
博士からの毛皮と鞭に関する告白、夫人の博士に対する態度の変容・・・・
そして、トマとワンダの立場にも変化が・・・

マゾッホの「毛皮を着たヴィーナス」という作品の存在は知っているが、まだ読んだことが無い。
だから、この作品(作品中の舞台)がどのような内容なのか、どんな展開になるのか、あえて予備知識を入れずに見た。
現実のことなのか舞台の中のことなのか、次第に境界線があいまいになっていき、力関係も揺らいでいき、とても幻想的だった。
不思議で、下品な部分まで含めて上品で、エロスが漂う、不安感と心地良さを併せ持つ作品だった。
オーディションの舞台は、前の作品(「幌馬車」のミュージカル版)の大道具小道具が残ったままで、手前に置かれた長椅子とデスクとそこで演じられる芝居とのギャップもまた、何とも・・・

2人芝居
100分近く、ほぼ舞台の上で、ずっと2人っきり。
なのに飽きることが無い
2人の関係がどうなっていくのか、物語がスリリングなのはもちろんだが、それだけじゃないパワーを感じて目が放せない。
舞台の台本を読んでいるかと思うと、ワンダが時々ツッコミを入れたり電話がなったりして、現実に引き戻される。
ニットのストールなのに毛皮の手触りを感じさせたり、フランス語の言葉遣いは全く分からないのに夫人の言葉遣いの上品さが伝わってきたりと、2人の役者の力量あってこその作品だよね。
もちろん、演出もカメラワークも照明も計算され尽くしていて凄いんだろうけれど。

フランス語やフランス作品が苦手な哀生龍だが、マチュー・アマルリックの作品は見たくなる。
彼自身が持つ雰囲気やセンスが好きなのだが、この作品のマチューは見ごたえあり!
複雑なキャラを演じているから、色々なマチューを見ることが出来るしね。

ラストがとてもシニカルで、見終わった時の哀生龍のテンションはかなり高かった。
思わずニヤリと笑ってしまった。
そう来たか!
あの部分が、ここで効いてくるとは!!
と。

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2014年12月22日

神は死んだのか

God's Not Dead

公開中なので控えめに。

新入生のジョシュ(シェーン・ハーパー)が一般教養の講義の1つとして選んだのは、ラディソン教授(ケヴィン・ソーボ)の哲学
ラディソンは講義の冒頭で、ニーチェやカミュといった無神論者の名を上げて、余計な論争を避けるためにこの講義では“神はいない”と言うことを共通認識の上で進めると宣言。
そして、学生全員にニーチェの言葉「神は死んだ」を紙に書くことを強要
ところが、クリスチャンのジョシュは、個人的に神を信じるのは構わないと言われても、どうしても書く事ができない
かといって、別の講義を選択し直すことも躊躇われる。
頑ななジョシュに、ラディソンは試練を与えた。
次からの3回の講義の終わり20分で、神が存在することを証明して見せろ。 と。
ジョシュが神の弁護人、ラディソンが検察官、そしてこの講義を取っている学生たちが陪審員だ。
付き合って6年になる恋人カーラ(カシディ・ギフォード)は、2人の将来を危険にさらすようなジョシュの決断を責めた。
ジョシュの相談に乗ったのは、牧師のデイヴ(デイヴィッド・A・R・ホワイト)。
彼は遠方から訪ねてきた親友のジュード牧師(ベンジャミン・オチェン)の希望で、車で出かけようとするのだが、どうしても出かけることができないでいた。
そんなデイヴは、アイシャ(ハディールイ・シッツ)からも相談を受けていた。
彼女は敬虔なイスラム教徒の父に、キリスト教を信仰していることがばれてしまったのだ。
一方、ラディソンのミーナ(コリー・オリヴァー)は、元教え子でありクリスチャン。
ラディソンが無神論者であることは承知で結婚したはずが、彼のあまりの言動に耐え切れなくなっていた。
インタビュアーのエイミー(トリーシャ・ラファチェ)は、仕事もエリートコースに乗っているマーク(ディーン・ケイン)との恋も順調だと思っていた。
ところが、ガンに侵されていることが分かり・・・
心が折れそうな自分を奮い立たせるエイミーが突撃取材をした相手は、4人組クリスチャン・バンド“ニュースボーイズ”(本人たち)だった。

哀生龍はクリスチャンではない。
神社仏閣にはそれなりに行くが、法事にはできるだけ参加するが初詣に行かなくても気にならないから、どちらかというと無神論者に近いのではないかと思う。
何故この作品を見たのかといえば、主役がケヴィン・ソルボだったから。
全米の大学で実際に起きた数々の訴訟事件を基にしていることやアメリカでの反響を知ってしまうと、そんな理由でなんだか申し訳ない、と思ってしまう。

はっきり言って、それ程説教臭くはないし、声高に「神は死んではいない」と主張している映画ではない。
適度にコミカルさもあるし、哀生龍のようなキリスト教とはほとんど縁の無い人間でも見やすい脚本になっていた。
しかし、それでもやはり、信じない者には救いが無く、自分の罪を認め悔い改めなければ天国にはいけないということに、ぶれは無かった

無神論者に対する表現として、有神論者という言葉があることを始めて知った。
そして、神を信じていないだけでなく、神の存在を否定し神を信じる者を攻撃するような人を、反有神論者と言い表すことも知った。
ラディソン教授は、反有神論者。
彼は言う。 「強固な無神論者は、元はクリスチャンだ」と。
神に裏切られたと思うような、神を恨み否定したくなるような経験によって、クリスチャンから無神論者に転向した人が多いということだ。
ラディソン自身は、いったいどんな経験をしたのか?
映画の中で語られるが、哀生龍にとっては“特別な出来事”だとは思えなかった。
深く強く信仰していたからこその、反動だろう。

この映画の中で残念に思ったことは、ジョシュの“神は存在する”プレゼンテーションに対するラディソンの反論・反証が、科学や数学といった理論的・論理的な分野の人の言葉の引用だったこと。
哲学の教授であり、ニーチェら無神論者の哲学者の名を最初にあげたのだから、彼らの言葉からの引用で反論するんだと哀生龍は期待したのだが・・・
たとえば物理化学で説明できないような自然現象があると、それは神のなせる業だと有神論者は言う。
逆に、数式で説明できることであれば、神など介在していないと無神論者は言う。
そんなありきたりの論争は、映画の中で見ても面白くない。(この映画の主旨はそこに無いと分かってはいるが、そう思いたくなる)
だが一方で、ラディソンとジョシュの論争は、新しい視点を哀生龍に与えてくれた。
なるほど、言われて見るとそれもそうだ!
と、哀生龍が全く気付いていなかった盲点を突いてくれた。
どちらがどちらを論破しても気分がスッキリしない論争ではあるが、そういう意味では、楽しい経験だった。

カーラのような、自分の考えや主張が恋人2人の共通認識だと勘違いしているような一方的で独善的な人やマークのような、極端に利己的で損得勘定で生きているような人は、神を信じているか否かに関係なく、救われないよね。

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ラベル:ドラマ ロマンス
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2014年12月16日

ゴーン・ガール

Gone Girl

公開中なので控えめに。

ミズーリ州の小さな町に住むニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は、ライター同士としてNYで出会い、大恋愛の末に結婚した幸せそうな夫婦。
5年目の結婚記念日を迎えるその日、ニックが双子の妹マーゴ(キャリー・クーン)と経営する店“ザ・バー”から戻ると、エイミーの姿が消えていた。
居間のガラスのテーブルが割れていたことから、ニックはすぐに警察に連絡した。
来たのはボニー刑事(キム・ディケンズ)とギルビン巡査(パトリック・フュジット)。
キッチンの高い位置に血痕、点けっ放しのアイロン。
最近は凶悪事件も多発していることから、ボニーは誘拐を視野に入れて捜査をする。
ニックは彼女の昼間の行動も、友人も、血液型も知らない
ボニーに言われるまで、エイミーの両親にも彼女の失踪を連絡していなかった。
その上、情報提供を呼びかける会見では、取材陣に言われるまま笑顔まで見せてしまう。
幼い頃から、エイミーは彼女の親が出版していた本「完璧なエイミー」のモデルだったため、有名だった。
それもあって注目が集まった。
TVキャスターのエレン(ミッシー・パイル)を始め、関係のない人々が勝手に“夫のニックが妻を殺したんじゃないのか?”と・・・
エイミーは毎年結婚記念日に、プレゼントを隠していくつかのヒントを用意してニックに探させていた。
今年も、ヒントが準備されていた。
それを辿っていくと、ニックに不利なことが次々と発覚してしまう。
本当にニックはエイミーの失踪に関与しているのか?
そしてエイミーは、今何処に?
もう死んでしまっているのか?

この作品は、ネタバレにならないように書くのが非常に難しい(苦笑)
物語的には、早い段階で“これは下準備だろう”“あえてこの日を狙ったのだろう”等々、事件の裏側が見えた。
おおよその目的も想像がつく。
しかし、予想以上の出来事も起きた。
いや、あの人がソシオパス/サイコパスの気質を持っているのなら、十分にありえることなのだと、事が起きてから納得する。
その上、頭もいいと来ているから、これ以上に恐ろしい存在はない。
だから、この作品の中で一番ハラハラするシーンは、エイミー失踪事件が一応決着がついた後、“日常”が続くことを受け入れなきゃならないラストだ。
その“日常”を受け入れても地獄、拒絶しても地獄。
本当に恐ろしい・・・・

親が出した本「完璧なエイミー」のイメージで、エイミー自身が見られてしまうのは苦痛だったろう。
母親から完璧を求められることも、同様に。
いつしか彼女自身も、自分の人生に完璧を求めるようになったのだろう。

原作の小説は読んでいないのだが、この作品の場合は、視覚的効果(特にニックとエイミーの表情)が、とても効いていたから、映画化してきっと良かったんじゃないかと思う。
映像の無い、読みながら想像力でイメージを膨らませていく小説も好きなのだが。

お目当ては、パトリック・フュジットとエイミーの過去の男を演じたニール・パトリック・ハリス。
それから、インタビュアーとしてセーラ・ウォードが出ていたり。

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2014年11月27日

クローズド・サーキット

Closed Circuit

ロンドンの中心部で爆弾テロが起きた。
強制捜査でトルコ系のファルーク・エルドアン(デニス・モシットー)が捕まった。
しかし、証拠物件が国家の安全・公共の治安を脅かす恐れがあるとして、政府は裁判を非公開にするように要請した。
それから6ヵ月後。
弁護士のサイモンが自殺してしまったため、後任としてマーティン・ローズ(エリック・バナ)が指名された。
また、被告にすら知らされていない極秘情報や証拠の全てを見ることが出来る特別後見人になったのはクローディア・シモンズ=ホウ(レベッカ・ホール)。
特別後見人がそれらの資料を見るのは、厳重なセキュリティが敷かれた決められた部屋の中。
持ち出すことはもちろん、弁護士に話すことも相談することも出来ない。
極秘資料は見られないマーティンは、サイモンの資料をすべて見直すこと。
そんなマーティンは、自分が何度も同じ番号のタクシーに乗った事に気づく。
他にも色々気づいたことがあった。
おそらく、サイモンも気づいたに違いない。
更に、接触してきた記者のジョアンナ・リース(ジュリア・スタイルズ)から、気になることを言われた。
本当に、サイモンの死は自殺だったのだろうか?
クローディアもまた、身辺に違和感を覚えていた。

ファルークが犯人なのか? 共犯者は? 背後の組織は?  といった事を炙り出す物語では無かった。
この作品のメインは、知り過ぎた者・喋り過ぎた者は殺される。 信用できるのは誰だ? という部分だった。
そのため、あらすじも感想も、ネタバレにならないように・・・・
難しい(苦笑)

司法長官? 法務長官? 検事総長?はジム・ブロードベント。
事務弁護士はキアラン・ハインズ。
クローディアに目を光らせているのはリズ・アーメッド。
なかなかスリリングなキャスティングだ。
エリック・バナは華が無いからこそ、良い意味で地味だからこそ、この作品の主役にぴったりだったんじゃないかと思う。

マーティンとクローディアはかつて不倫関係にあり、マーティンの離婚の原因にもなっていたことから、本来はこの2人が被告の弁護人と特別後見人になるのは不適切だったのだが・・・
そもそも、イギリスの裁判制度の、公開非公開に関することや、特別後見人(特別弁護人?)のことを全く知らないから、ピンと来にくい部分が多かった。
マーティンとクローディアがかつて不倫関係だったということが、どのように物語に影響しているのか、スリルが増す要素なのか、良く分からなかった。 ( ̄Д ̄;;

通報した匿名の電話をかけたのが誰なのか? 黒幕は誰なのか? 背後に大きな何かがありそうだと匂わせるが、割と早い段階で敵味方は明らかになってしまう。
犯人と目されるファルークの経歴や素性については、会話の中でどんどん開かされてしまう。
もう少し、シナリオや演出でスリルを醸し出してくれたらもっと楽しめたんじゃないだろうか。

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ラベル:サスペンス
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2014年11月06日

ガンズ&ゴールド

Son of a Gun
Guns & Gold


公開中なので控えめに。

オーストラリア、バース。
その日刑務所に収監された19歳のJR(ブレントン・スウェイツ)は、初犯で刑期も短く、模範囚なら半年で出られるはずだった。
しかし、凶悪な囚人に目をつけられたら地獄の日々となる。
真面目な性格のJRは見て見ぬ振りが出来ないタイプだったため・・・
そんなJRを気に入ったのは、強盗犯で当分は出られそうに無いブレンダン(ユアン・マクレガー)。
彼は荒くれどもからも一目置かれているようだった。
普段は静かにチェスをやっているブレンダンに、チェスが得意なJRが話しかけたのがきっかけ。
ブレンダンはまるで父親のようにJRを守り、いろいろな事を教えた。
そして半年で無事に出所したJRは、ブレンダンとの約束を守って、犯罪組織のボスであるサム(ジャセック・コーマン)に会い、ブレンダンと2人の仲間の脱走を手引きした。
師弟関係は終わりではなかった。
サムが持ちかけた金塊強奪の話を、悩んだ末にブレンダンは請け負い、その計画にJRも関わることになったのだ。
チェスと同じように何手も先を読み、“駒”の使い方にも間違いが無く、危険な計画であってもブレンダンの山は成功間違いなし。
一方JRにも、ブレンダンには内緒の計画があった。
サムのところで働くターシャ(アリシア・ヴィキャンデル)のことが好きになってしまったJRは、分け前を手に入れたら彼女を連れて逃げようと考えていた。
ところが、サムが仲間に加えた彼の甥ジョシュ(トム・バッジ)のせいで・・・

哀生龍が見たことがあるオーストラリア映画は、からっと明るいハッピーな作品か、貧困層や労働者階級を描いたイギリス映画のような趣の作品、この2つのタイプが多かった。
この作品は、イギリス映画っぽさを感じさせつつ、乾いた空気感はオーストラリアらしいように思った。

お目当てはもちろんユアン・マクレガー。
カリスマ性のある強盗犯と言う悪役を演じるユアンはイメージしにくかったのだが、見てみたらとてもしっくり
ブレンダンはチェスが得意で冷静沈着。 面倒見が良く、信頼感がある。 真剣で厳しい表情を良く見せるが、時々笑顔も見せる。 むやみに殺さない。 ちょっと人がいいところもある。
父親・父性愛を求めるようなJRを息子や弟子を育て導き見守る保護者として良く面倒を見ているが、一方では使い勝手のいい駒として考えていることが見え隠れ。
ブレンダンを信頼する仲間スターロ(マット・ネイブル)が、お気に入りのキャラ!

ブレンダンが良く例に出していたのは、「チェス」と「チンパンジーとボノボ」。
色々なことをチェスに喩えているが、チェスを得意とするJRにはきっとその意図はしっかり伝わっていただろう。
ボスのサムもチェスをやるから、映画のそこかしこでチェスが出てくる。
何でもかんでもチェスを引き合いに出しているとその内笑いを誘うことになっただろうが、所々に「チンパンジーとボノボ」の喩えを挟み込んでいたので、笑わずに済んだ。
何気ない台詞が、その後の出来事・展開の伏線となっていることもあった。
で読んでも面白い作品だろうな」、と思った。
本になっているのかな?

ブレントン・スウェイツは「マレフィセント」では情けない役を演じていて、冒頭の刑務所に入ったばかりのJRも犯罪者に向かない印象だった。
そんな彼が、物語が進むにつれどんどん精悍な表情に変わっていく。
だからと言って、“犯罪者面になった”、“どんどん犯罪者の世界にはまっていった”と言うわけでもない。
生き残る・生き延びるすべを身につけて行った、といった印象が強いかな?
もしブレンダンに関わらなければ、半年で出所した段階でまっとうな世界に戻れたとも思ってしまうが(苦笑)

ネタバレになるといけないからこれ以上は書かないが、アクション・サスペンスにプラスして、“心理戦”を楽しむ作品だった。

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posted by 哀生龍 at 06:31| Comment(2) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2014年10月23日

グランドピアノ 狙われた黒鍵

Grand Piano

今日の恩師の追悼コンサートが5年振りの公演となるトム(イライジャ・ウッド)のために用意されているのは、恩師の遺品であるグランドピアノ。
トムは、5年前に恩師とトム以外には弾きこなせるピアニストはいないと言われる難曲「ラ・シンケッテ」でミスを犯し、それがトラウマとなって演奏会から遠ざかっていたのだ。
親友で指揮者のノーマン(ドン・マクマナス)は、「ミスなんか気にするな。誰も気付かないさ」と励ます。
ところが、演奏が始まり楽譜をめくると、そこに「音符を一音でも間違えたら君を殺す」と脅迫文が書かれているではないか。
赤いレーザーが自分をポイントしている。
これは冗談じゃないぞ!
楽譜には、他にもあちこちに指示が書かれていた。
サイドバルコニー席にいる妻エマ(ケリー・ビシェ)も狙われている。
指示に従って、客席からは見えない左耳にイヤホンを入れると、恩師の名を名乗る男が話しかけてきた。
その上、狙撃のデモンストレーションまで。
指示に従うしかない。
そして、あのトラウマとなった「ラ・シンケッテ」を弾くことになってしまった。
犯人は何故こんな要求をするのか?
この極限の緊張感の中で、完璧に弾きこなせるのか?

色々と些細なことが気になってしまった(苦笑)
言うだけ野暮だと分かっていても、気になって映画に集中できないほどだったから、書いてしまう。(とっても野暮な哀生龍である)
イライジャ・ウッドは、演奏をしているように見えるように訓練したのだろうが、足が疎か・・・というか、せめてペダルに足を乗せて欲しかった。
天才ピアニストなら暗譜して楽譜無しで演奏するんじゃないかと思いつつ、たとえ楽譜を見ながら演奏するとしても、譜めくりの方が左側に座るのではないだろうか?
そうなると、犯人のメッセージはバレバレになるわけで・・・
何故楽譜を小道具に使ったんだ? と不思議でならない。
その上演奏中に会話をしたり電話をいじったり、ステージ上にはトムしかいない(オーケストラは一段低いところにいる)状態じゃ、すぐに異変に気付かれてしまうだろう?
気付かない客たちの目と耳はどうなっているんだ?

犯人(ジョン・キューザック)は、何でこんな回りくどい方法を取ったのだろうか?
こんな大仕掛けで、人目の多い状況で、馬鹿みたいに危険を冒すぐらいなら、もっと他に手段があったのではないか? と思ってしまう。
計画もかなりずさんだし。
予告編はそこそこ緊張感があったが、本編は・・・
緊迫した雰囲気を感じさせるのが、イライジャ・ウッドのあの真っ青な目とあの表情だけじゃ、限度があるよ。
とにかく色々余計なことに気が散ってしまった哀生龍は、あまりこの作品を楽しむことが出来なかった。

重要なグランドピアノは、ベーゼンドルファー社のモデル290だそうだ。
TVで見たことはあったが、名前は知らなかったよ。
通常88鍵のところ、このモデルは低音部分が多く、97鍵。
増設部分の鍵盤は弾き間違えないように、白鍵も黒く塗ってある。



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ラベル:音楽 サスペンス
posted by 哀生龍 at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | | 更新情報をチェックする

2014年10月20日

グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札

Grace of Monaco
Grace de Monaco


公開中なので控えめに。

グレース・ケリー(ニコール・キッドマン)がモナコ公国大公であるレーニエ3世(ティム・ロス)に嫁いで、早6年。
2人の子供たちの良き母ではあったが、アメリカのオスカー女優だった彼女は公用語のフランス語もまだ完璧には話せず、しきたりにも馴染めていなかった。
社交の場に同行しても、政治談議に加わりはっきりと意見を口にして顰蹙を買ってしまったり。
最愛の夫レーニエは、現在フランスとの関係に頭を悩ませていて、グレースのことは眼中になかった。
アルジェリアの独立戦争のために戦費が必要な隣国フランスのシャルル・ド・ゴール大統領(アンドレ・ペンヴルン)が、現在無税であるモナコのフランス企業から税を徴収しフランスに納めなければ、モナコをフランス領とすると声明を出したのだ。
軍を持っていないモナコはフランスの保護下にある上にライフラインがフランス領を通っていることから、戦争になることだけは避けなければならない。
居場所の無いグレースは、ヒッチコック(ロジャー・アシュトン=グリフィス)が直接台本を持ってきた映画に出ることを、レーニエに承諾を得た上で決めた。
ところが、国家の危機が回避されるまで伏せられるはずだったこの情報が、なんと宮殿から漏れてしまったのだ。
グレースの後見人であり父のような存在のタッカー神父(フランク・ランジェラ)は、宮殿内にフランスと通じているスパイがいることを疑い、グレースが信用できる人物に探らせるようにと言った。
一方、夫レーニエからの八つ当たりのような怒りや国民たちのグレース・バッシングに、グレースは離婚まで考えるように。
そんなグレースに、タッカー神父は再びアドバイスをした。
グレースは、タッカー神父が紹介してくれた外交儀礼の専門家であるデリエール伯爵(デレク・ジャコビ)の元で、“完璧なモナコ公妃”を演じるための猛特訓を受ける。
準備を整え覚悟を決めたグレースは、レーニエに「この危機を乗り越えるために秘策を試してもいい?」と・・・

グレース・ケリーのことは、名前は知っていても顔すら思い出せないほど、遠い存在だった。
今回、何度かTV放映で見ている「裏窓」の恋人役を演じていたのが彼女だと知って、やっと顔が思い出せた。
同じく、モナコ公国のことも、公道を使ったレースとモンテカルロという地名(正確には地区名らしい)ぐらいしか知らず、地理的にどこにあるのかすら良く分かっていなかった。
それぐらい、特に興味を持ったことがなかった女優や国を描いた作品を何故見ることにしたのかと言えば、例のごとく俳優目当て。
一番のお目当てのティム・ロス、魅惑のデレク・ジャコビ、安心印のフランク・ランジェラ、曲者パーカー・ポージー(厳しい女官・秘書?のマッジ役)、そして何故かなかなか顔が覚えられないパス・ベガ(有名なオペラ歌手のマリア・カラス役)。
陰謀渦巻く宮殿内の政治的駆け引きや、夫婦関係や、美しい衣装や、宮殿そのもの・・・色々見所・楽しみどころはあったが、やはり哀生龍にとってはキャストとその演技が一番楽しかった。
いつ見てもキュートなティム・ロスの下の犬歯♪♪

この作品は、事実を基にした“フィクション”だと明記されていた。
事実を基にした作品の場合、どの部分が演出なのかはっきり分からないことも多く、このエピソードは本当に正確な事実なのだろうかと後々気になることが良くある。
そういう点では、今回のようにフィクションだと言ってもらえたほうが、あまり悩まず気を楽にして見られるから後々気を揉まずに済んでいい。
政治的な史実よりも、グレース・ケリーという1人の女性の色々な面(女優、妻、母、公妃、女性)を描き、苦悩や幸せや努力などを中心に描いている作品だったのも、見やすく感じた理由だと思う。
画像で見た本人にキャストがそれ程似ていなくても、哀生龍は本人を知らなかったから全然気にならなかった。
というか、何故ティム・ロスがレーニエ3世役を演じることになったのかが、とても不思議。

そうそう、公用語がフランスであるモナコが舞台の、フランス人監督による作品なのだが、基本的に英語が使われていたのも、哀生龍にとって見やすかったポイント。

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2014年10月14日

荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~

A Million Ways to Die in the West

公開中なので控えめに。

平均寿命が30代という、西部開拓時代1882年のアリゾナの田舎町オールド・スタンプ。
羊の世話もまともに出来ない牧童のアルバート(セス・マクファーレン)は、必死で毎日生き延びてきた。
決闘はブーイングが起きようと謝って金を払うことで回避するような情けない男だが、とびきりの美人ルイーズ(アマンダ・セイフライド)と言う恋人がいた。
ところが、自分を磨くためと言って彼女はアルバートに別れを切り出した。
鈍感で純朴なアルバートは、ルイーズのことが諦められずもう一度振り向いてもらおうとするが、実は彼女は洒落た金持ち、“髭サロン”の経営者フォイ(ニール・パトリック・ハリス)に鞍替えしていたのだ。
ショックを隠しきれないアルバートだったが、偶然1人の女性の命を救った。
その女性アナ(シャーリーズ・セロン)は、兄と2人で町に着たばかりの新参者。
不思議と気があったアナにルイーズのことを話すと、彼女は恋人の振りをしてルイーズの気を引き妬かせようと・・・
それが裏目に出て、アルバートはフォイと決闘することになってしまった。
素晴らしい銃の腕を持つフォイに対し、アルバートはからっきし。
フォイ以上のガン捌きを見せたアナが付きっ切りで特訓した成果は・・・
その当日、なぜかアナが来てくれない。
実はアナは・・・・

往年の西部劇風のオープニング。
好きだなぁ~ この雰囲気♪
ワクワクしてしまう。
「テッド」のセス・マクファーレンの作品だから、予想通り、素敵に下品で情けなくてくだらなくて緩くて楽しかった♪♪
テンションがわりと平坦で低めなのも、気を抜いて見ていられるから良かったなぁ~

原題の通り、西部では100万通りの死に方があると言うことで、些細なことで死んでしまう例が沢山出てくる。
ミュージカルとまでは行かないが、歌や踊りも楽しい。
フォイというか、ニール・パトリック・ハリスが素敵な髭(カイゼル髭というデザインかな?)を強調しながら、「口ひげの歌」を歌う♪
この歌、「口ひげさえ(口ひげさえあれば)」という、スティーヴン・フォスターの曲だとは知らなかった!
(歌詞は、セスたちがアレンジしたようだが)

男を見る目がない可愛いお馬鹿さんのルイーズ。
アルバートとフォイを比べて、アルバートを選ばなくても「男を見る目がない」とは言いにくいが(苦笑)
男勝りでさばさばしたクール・ビューティーのアナ。
格好いいしルイーズよりもいい女に見えるが、実は彼女もそれ程「男を見る目がある」とは言いがたいような・・・
アルバートの親友エドワード(ジョヴァンニ・リビシ)も、クリスチャンだから婚前交渉をさせてくれない恋人がいるが、彼女は最低一晩で10人は客を取る売れっ子娼婦のルース(サラ・シルヴァーマン)。
はたから見ると可哀想に見えるような「女を見る目がない」男だが、この映画の中で一番幸せそうだからきっとお似合いのカップルなんだろう(苦笑)

恐ろしいお尋ね者の極悪人クリンチ役は、リーアム・ニーソン。
「テッド」に引き続き、声の出演のパトリック・スチュワート、台詞すらないライアン・レイノルズ、かの有名な車と登場のドクことクリストファー・ロイド、他にもユアン・マクレガーとかジェイミー・フォックスとか、チラッと登場の豪華な皆さん!!

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2014年09月30日

記憶探偵と鍵のかかった少女

Mindscape
Anna


公開中なので控えめに。

『記憶探偵』が他人の記憶に潜入し観察することで得た情報は、DNA鑑定には劣るものの、嘘発見器よりも高い証拠能力を有している。
マインドスケープ社は記憶探偵業界の最王手であり、社員のジョン・ワシントン(マーク・ストロング)は数々の凶悪事件を解決してきた優秀な記憶探偵だ。
しかし、妻の自殺がきっかけで冷静な観察者でいられなくなったため、しばらく静養をしていた。
そんなジョンが復帰を望んだため、上司のセバスチャン(ブライアン・コックス)は“絶食中の少女のトラウマを探り食事が出来るようにする”と言う簡単な案件を任せることにした。
大富豪の一人娘で16歳のアナ(タイッサ・ファーミガ)は、ずば抜けてIQが高い一方で、今までに色々なトラブルに関わっていた。
母ミシェル(サスキア・リーヴス)は心労のせいかアルコールに依存し、継父ロバート(リチャード・ディレイン)はなんとかアナを理解しようとしつつも施設に入れることを考えていた。
ジョンはアナの部屋で彼女の記憶に潜入。
大人びた冷静さを見せるアナは心を閉じていながらも協力的で、すぐに彼女の記憶の中から複数のトラウマを見つけ出すことが出来た。
そしてアナはジョンを信頼したのか心を開いていき、軽食を口にした。
だがこれでジョンの仕事が終わったわけではない。
アナを巡る幾つもの疑惑
幼い頃に見てしまった継父に関する記憶と、母とペーパーナイフの記憶、同級生の自殺事件の記憶、男性教師との記憶、そしてアナの専属看護師ジュディス(インディラ・ヴァルマ)の転落事故。
本人の言い分や記憶と、周りの証言との食い違いはどこから生じたのか?
時々よぎる人影はいったい?
復帰したばかりのジョンは、一連の事件の真相に辿り着けるのであろうか。

ミステリアスなサスペンスだから、ネタバレにならないようにあまり内容には触れないように・・・・

記憶は必ずしも正しいとは限らない。
思い違い・勘違いと言った経験は誰にでもある。
嫌な記憶を消去したり、嬉しかった出来事を過剰に演出したりと言った無意識の改変もあり、自分で自分を騙すこともある。
優秀な記憶探偵は、作られた記憶を見分けることが出来るらしいが・・・
少女とオジサンという組み合わせが、より一層先行きを案じさせる。
きっと、深く関われば関わるほど傷つくことになるだろう・・・と。
さらに不安感を煽る、(ホラーではないが、ホラー嫌いの哀生龍にとってはかなりドキッとさせられる)謎の人物の出没。

アメリカ映画だが、主要キャラを演じているのは、英国系。
見ようと思ったのは、マーク・ストロング、ブライアン・コックス、そしてノア・テイラー。
そしてエンドクレジットを見て気付いたのだが、監督や製作サイドはスペイン映画系。
パンフレットで確認したら、哀生龍が好きなスペイン系の映画に関わってきた人がほとんどじゃないか!!
特に撮影担当のオスカル・ファウラは、あのジャウマ・バラゲロ監督の「ダークネス」「機械仕掛けの小児病棟」等のカメラ助手・第2班撮影監督を務めてきたと知って、大いに納得!!!
色彩を抑えた映像。
少し湿り気を感じる冷え冷えとした雰囲気。
独特のホラー感と心地良さがあるんだよね。

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2014年09月17日

ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー

Guardians of the Galaxy

公開中なので控えめに。

幼い頃に宇宙の盗賊集団“ラヴェジャーズ”に誘拐されたピーター・クイル(クリス・プラット)、自称“スター・ロード”は、いまやすっかり陽気でお気楽なあんちゃん、いやなかなか腕のいいトレジャー・ハンターとなっていた。
“ラヴェジャーズ”のリーダーである養父ヨンドゥ(マイケル・ルーカー)を出し抜いて、<オーブ>と呼ばれるパワーストーンを手に入れたものの、想像以上にヤバい代物だった。
金に換えようとザンダー星のブローカーを訪ねると断られ、「闇の存在」が遣わした暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)に襲撃され、賞金稼ぎコンビ、アライグマ型クリーチャーのロケット(声:ブラッドリー・クーパー)と樹木型ヒューマノイドのグルート(声:ヴィン・ディーゼル)まで。
もちろん、ヨンドゥもオーブを狙っている。
ザンダー星の警察に捕まり凶悪犯が入れられるキルン刑務所に収監されたピーター、ガモーラ、ロケット、そしてグルート。
更には、囚人のドラックス(デイヴ・バウティスタ)が、ガモーラを妻子の仇とばかり・・・・
しかし、敵味方、目的は異なるが、まずは刑務所を脱走しなきゃ話にならない、という点では意見が一致した5人は協力し合った。
まんまと逃げ出した5人は、オーブを高値で買い取ってくれるらしい“コレクター”(ベニチオ・デル・トロ)の元へ。
彼の話によると、実はこのオーブ、銀河を滅亡させるほどの力を持っているのだ。
だが、「闇の存在」がやすやすと彼らとオーブを見逃すはずが無い。
大軍で迫り来る彼らの狙いとは?
そして即席チームの犯罪者5人組に、勝ち目はあるのか?

ダイエットをして身体を絞ったとはいえ、クリス・プラットは典型的な二枚目ヒーロータイプじゃない。
いい具合に、二枚目半なんだよね♪
それがまたピーター・クイルというキャラにぴったりで、とても親しみを覚えた。
ダンスシーンも、彼だからOK!っと思ったよ。
古いウォークマンで聞くテープは「Awesome Mix Volume 1」という、70年代のヒットチャートが詰め込まれているもの。
この懐かしさと、シーンにあった選曲とが、かなりグッと来た!(歳がばれるが)
その上これは、亡き母や地球と彼を結びつけるアイテムだったりするから・・・・

柄は悪いが結構頼りになるロケットと「アイ・アム・グルート」しか喋れないグルートの名コンビ!!
こいつらも泣かせるんだよ!
とてもベタだと分かっていても、好きなんだよなぁ・・・こんなコンビが。

青いオッサン盗賊と甘く見ていたら泣きを見る、ヨンドゥ。
彼もまたいい味出していた。
チラッと見せる凄さや懐の深さなんかが、もう最高に格好いい!
いい味出してたオッサンと言えば、警察組織ノバ軍のローマン・デイ(ジョン・C・ライリー)も良かったよ!!

リー・ペイスが演じたロナンは、メイクで容姿が分からない上に声も変えているから、彼が演じていると分かっていても片鱗すら見いだせなかった(苦笑)

後、哀生龍的に忘れてはならないのは、カメオ出演?のハワード・ザ・ダック。
声をセス・グリーンがやっているんだよね。

衣装も武器も、アメコミらしさやアクション・コメディらしさが出ていて、哀生龍好みだった。
ストーリーや見せ方は、他のマーベル物(アベンジャーズとか)よりは落ちるが、この少しチープな感じもピーター・クイルの物語としては丁度良くて楽しかった。

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